第2話 冒険者ギルドで大騒ぎ!

 冒険者ギルドに着いてふー、と息をつく。道が中々複雑だから大変だった。

 受付に薬草を渡して報酬の銅貨5枚を貰う。この世界のお金だー!これで無一文じゃなくなる!

 よし、また依頼を受けよう!


「シキさーん!ちょっとこれー、依頼と違うものですよー!」


 モリーさん(受付の女の人)がさっき渡した薬草を持ってきた。

 今更だけど、シキとは私の名前で、西平にしひら しきという。

 そんなことよりも


「依頼と違うのはどういう事ですか?」

「それはですねー。普通の薬草ではなーく、上位の薬草なんですよー!」


 もしかしたら、エネルギーを入れたせい?いや、そんなはずは……。


「でもー、おかしいですねー。あの場所だとー、上位の薬草はー採れないはずなんですけどー。シキさーん、なにかしましたか?」


 あれ?何故か私がなにかしたみたいになってるの?

 ……モリーさん、笑顔だけど怖い。

 これでなにもやってないですって言ったら、殺されそう……。


「……はい、私がやりました。すみません」

「素直ですねー。偉いですー。話を聞きたいのでー、ちょっと来てくださーい」


 素直についていく。部屋に入って椅子に座る。シンプルな飾りつけがされていて綺麗な部屋だった。うん、シンプルイズベストだね!


「それでー、なにしたんですかー?」

「えーっと私ってちょっとした能力がありまして、エネルギーを吸収したり変換したり出来るんです。それを使ってエネルギーをいれてみたらこうなったんです」

「……。そうですかー。ではー、実際にーやってみてくださーい。これを使ってー」


 普通の草と薬草を渡された。私はエネルギーを注いでいくと草から白っぽい光が出てくる。


「……なるほどー。シキさーん、能力の事はー他の人には話さない方がー良いと思います。下手するとー拉致監禁されたりー、危険な目に合う事になりますー。気を付けてくださいねー」

「はい、分かりました。話は終わりですか?」

「まだありますー。依頼についてですがー、今度からはー、一切変な事しないでくださいねー。今回はーギルドがなんとかします。話はー以上です」


 部屋から出てふー、と一息つく。いつもよりもピリピリしていたから、ちょっと緊張した。

 ふと、外を見るといつの間にか、空が少しオレンジ色になっていた。もうそろそろ家に帰らないといけない。

 問題はどこで家に戻るか。草原は、見渡しがいいから駄目。森なら、木がいっぱいあるから大丈夫かな?

 そうと決まったら、森へゴー!

 それなりに歩いて、森に着いた。念の為に周りを確認してっとよし、誰もいない。これなら、大丈夫。

 家に帰ってきたぞー!よし、お風呂に入ったら寝よう。

 じゃあおやすみー。





 おはよー!今日も異世界にゴー!ギルドに行こう!

 ギルドに着いたのは、いいんだけどまた人がいっぱいいるー。キツイー。

  

「おい、お前か?昨日にギルドマスターに呼ばれてた奴は」


 そう言ってきたのはどこか、私を見下したような雰囲気の大柄の男だった。

 周りがざわざわし始める。……うるさいなー。


「ギルドマスターですか?いえ、私はモリーさんに呼ばれただけですが」

「ふん!ギルドマスターがモリーだという事も知らないのか!だから嫌なんだガキは」


 まあ、確かに中学生だからまだ子供だけど……。だからといってそこまで差別する必要あるのか?これだからこういう奴はあまり好きじゃないんだよね。


「……。喧嘩売っているのなら、買いますが?」

「はぁー。お前みたいなガキに喧嘩売っても仕方ないだろう?」


 男はやれやれといったところみたいだから、まあいいっか。


「では、用が無いのなら私は依頼を受けにいきますので」

「おい!ちょっと待て!俺はまだ何も言ってないぞ?」


 ガシッと肩を掴まれる。……はぁ、邪魔だな。どっか行ってほしいんだけど。


「どんなことで呼ばれた?」

「はぁ、そんな事貴方には関係ないでしょう?」


 私の言いようにイラッと来たみたいで胸倉を掴んでくる。本当に勘弁してほしいんだけど。こんなに目立って良い事無いのに。


「違うな!なにか隠しているんだろう?誰にも言えないような事を!」

「……はぁー。もし、そうだとして言うわけないじゃないですか。貴方みたいな人にはね!」


 あー!だんだんイライラしてきた!変に威張ってるこいつをぶっ飛ばしてやりたい!


「……ああ、駄目です。イライラしすぎてお前を殺したくなってきたみたいです。ぶっ飛ばして良いですか?」

「ふん!お前ごときが俺を殺せるなら、殺してみろ!」

「じゃあさようなら」


 エネルギーを横に長くして刃のように鋭くして放とうとした瞬間、


「はーい、喧嘩はうちではーやらないでくださいねー」


 モリーさんが出てきたので止めて消した。


「全くー、シキさんはーその位で怒らないでくださいねー。朝ごはんちゃんとー食べましたかー?食べてないならー食べてください。バトラーさんもーシキさんを挑発しないでくださいー!話は終わりでーす。みんなー解散!」


 みんな本当に解散するんだよ!ギルドマスターって凄いなーと思った。

 確かに朝ごはん食べてない。食べよう!赤色のグミみたいなのを食べる。パクっこれはコーラ味!美味しー!

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