第230話 同室の男子がホモじゃない確証は無い

 沖縄に降り立ち、なんやかんやと1日目のスケジュールが全て終わった。ホテルの夕食を終え、これから部屋に戻ろうというタイミング。思っていた以上にスマホを触れるタイミングがなく、やっと画面を開いた。

 

 予想はしていたが、それ以上のメッセージが残されており253件の未読があった。最初のメッセージは「いま着陸しましたね」から始まり、そして最後にして最新のメッセージは「既読付けましたね」だ。

 

 さて、何と返信するべきか、と考えながら親指を回していると、画面が急に暗くなる。

 そして数秒固まった後、美冬からの通話の着信が鳴り始めた。

 出ないわけにもいかないので、一先ず出る。

 

「はいはい」

『お疲れ様です』

「どうも」

『で? なんで今の今まで連絡してくれなかったんですか』

「あー、えっと、単純にスマホ見る時間が無かったもので」

『忙しいのを理由に美冬を放置したんですね』

「あの放置したつもりは無いです」

『は??????』

「ごめんなさいこればっかりは勘弁してください」

『……まあ、良いです。忙しかったのもまあまあ理解しましょう』

「助かります」

『それで、今日は何やったんですか?』

「祈念公園とか行って終った」

『お昼は?』

「沖縄そば」

『お夕飯は?』

「バーベキュー」

『このあとは何するんですか?』

「風呂入って寝るだけかなあ」

『枕投げとか女子風呂覗きに行ったりしないんですか』

「うちのクラスそんな荒れてないから」

『本当に女子風呂覗きに行ったら殺しますけどね』

「あーでも女子風呂じゃないけど、男が女子部屋に凸ってどうのこうのって定番らしいね」

『乱交パァァリィィじゃないですか』

「いや流石にそれは無いでしょ」

『年頃の男女が密室に閉じ込められて何も起きないハズもなく!』

「そんなAVじゃないんだから」

『あ!! そうですよ! それこそ、ご主人様と同室の男子がホモじゃない確証は無いんですからね!!』

「やめて本当に怖くなるから。一昨年そういう話あったらしいんだからさ……」

『本当ですか!?』

「いや、井上さんから聞いただけの噂話だけどね?」

『あーあの女が好きそうな話題ですね』

「期待してるって言われたけど、そういうことか」

『はぁあああああのクソ腐れ女ぁ!!!! だめですからね!! 前立腺と精子だけは死守してくださいよ!!』

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