第166話 いまならおっぱい触れる、とか思いましたね
美冬に踵落としを食らわせられた鳩尾がまだジワジワと痛む。
あの後、チャンネル解除と土下座で許して貰うことができた。チャンネル登録など、あとでこっそりし直せばいいだけだ。
そして、今度は反省として進が美冬の椅子になっている。いつもと違うのは、スマホをいじるのが禁止で、常に美冬を撫でなければならないことだ。
一瞬でも手を休めれば、美冬の頭突きが顎に来る。
一方、美冬はゲーム機のボタンを叩いている。進はその様子を撫でながら見守っているだけだ。
ちゃっかり太腿とか内股をスリスリしても動じる気配ない。美冬の珍しいミニスカートだから、堪能しなくては損だと思いつつ。
「あ、充電きれそう……」
ちょうど内股をスリスリしていたところで美冬が四つん這いで充電器を取りに行った。コンセントにプラグをさして、コードを引っ張ってくる。
その間、彼女の薄水色で花柄のあれが見えてしまっていたが、気付いているのかいないのか、美冬は隠す素振りすらなく、進のところに戻った。
進も、見るだけ見て何も言わず、太腿をスリスリするのに戻る。
太腿が良いなら、他の場所はどうだろうか、と邪なことを考え始めた。
例えば
「いまならおっぱい触れる、とか思いましたね」
「おっ……もって、ない」
なぜバレた。
進の背中から冷や汗が出てくる。
「ご主人様の思考など手に取るようにわかりますよ? ご安心を。今やってるゲームはターン制なのでちょっとくらい手元が狂っても何の問題もありません」
「あ、じゃあ……遠慮なく……」
ダメとは言わない。
恐る恐る、両手で両方の胸に触れる。
相変わらず掌に収まってしまう大きさだ。一応Bはあるらしく、下着の硬さに阻まれながらもむっちりとした柔らかさは感じられる。
「ご主人様が揉んでくれるおかげで巨乳になること間違い無しですね」
「あ、そう……」
「なんですかその薄い反応っ」
「いや、別に……。嫌がらないんだな……って」
「いえいえ。ご主人様が素直になってくれて嬉しいだけですよ」
笑顔で見上げてくる。
おっぱいを揉まれながら気分を良くしている狐の図。
だが進の手も止まらない。
「そう言えば、こんな時に聞くのもなんだけどさ」
「はい?」
「狐の発情期って、ちょうど今の時期だよね。2月だし」
「……はい?」
妙な沈黙が訪れる。
そして美冬は思い付いたような顔をして、いたずらっぽい顔になった。
「なんですか? 狐の発情期にかこつけて、美冬とエッチなことする口実にしたいんですか?」
「いやそうじゃなくて普通に興味……」
「んーでも、美冬は確かに狐ですけど妖怪ですし? そんなこと言ったら、美冬も美夏も8月と12月で狐の出産時期とは外れてるので、多分関係ないと思うんですよ〜」
「確かに。狐は4月に出産だ……」
「残念でしたね」
ムカつくほどのシテやったり顔だ。
「ま〜でも? どうしてもって言うなら考えなくもないんですけど?」
「別に元からそんな気なかったしなんかムカつくからいい」
「そんなこと言って〜」
美冬は「仕方ないですね〜」と言いながら離れると、急にスカートの中に手を突っ込んだ。
そしてゆっくりと下着を脱ぎ始める。
「え、何やってんの」
「何って、見てのとおりですけど」
そして片足ずつ下着を脱ぐと「はい」と進に手渡した。
「要らないんだけど。え、すっごい要らないんだけど」
「脱ぎたてなのに?」
「どうしろと。生暖かいし」
すると美冬はキョトンとした顔になって、スンとしながらまた進の胡座の上に座った。
そして、中断していたゲームを再開する。
進の手の中にある脱ぎたての下着は、完全に行き場を失った。
困り果てた進は、とりあえずその下着は丁寧にたたんで隣に置いておくことにした。
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