皇城にて8(一人称視点)

「姫様……」


 私は姫様から温もりを賜り、その感覚にとろけていた。


「ねえ、騎士様」


 と、姫様から呼びかけられる。


「はい」


 私はだらしない姿勢のまま、返事をした。


「今晩も、お願いいたしますわね。

 とはいえ、実は……」

「えっ」


 私の体が、ブルリと震えた。

 何故なら、姫様から“ある言葉”を言われたからだ。


 そう。

「今日はもしかしたら、」という言葉だ。




「きゃっ!? えっ、騎士、様……?」


 そして気が付けば、私は姫様を押し倒していた。

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