グレイスとハルトムート

皇城にて6(一人称視点)

※ハルトムートことハルト君の一人称です。



「あら、ハルト」


 私が皇城を歩いていると、グレイス様に声を掛けられた。


「今晩、空いているかしら?」


 優雅なドレスから姿を見せる豊満な胸を前面に押し出しながら、私を誘う。

 やめて下さい、姫様。


 そんな誘われ方をしたら、私は理性を保てません。


「ねえ、どうなのかしら?」

「はっ、空いております」


 とはいえ。

 この体、そして愛する人の真剣な表情を前に断る事など出来ず。


 あぁ、私はどうなってしまうのでしょうか……。

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