皇城にて2(一人称視点)

「え?」

 それは突然の事であった。


「もう一度言いますわ、騎士様。わたくしに、騎士様の子供を産み落とす喜びを授けてほしいのです」


「……うん」

 思考が追い付かない。

 僕との子供を、君が産む……のか? どうして?

 いや、理由なんて無いか。それにいつもやってるのは、“そういうこと”だ。

「わかった」

 元々僕も、姫様と一緒に過ごしたいし、それに――


 僕達の血を継いだ、実の子供が欲しかった。


 “父さん”が僕の父親じゃなかったから、ってワケじゃない。

 けれど、僕の本能はそう訴えていた。


 だからこそ、気付いた時には――僕は姫様を、押し倒していた。

 最早歯止めの効かない、けだものの心で。

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