第4話

ナナコを家につれてった

1LDKで男の独り暮らしには十分の広さがある


「へぇ良いとこ住んでんじゃん」


「まぁな

ちょっと質問なんだけど」


「なに?」


「服とかってどうなってるの?」


「うーん」

着ているニットの首の部分を引っ張って中を確認してる

俺もそーっと覗きこんだ

「こら!見るな」


「はいはい」


「ちょっと脱いでみる」

ナナコは脱ぎ出そうとする

「わぁーとととと」


「なーんてね

なに焦ってんの?さては童貞か?」


「どどど童貞ちゃうわ」


「ちょっとこの部屋借りるねドア開けれるかな」

ガチャ

開けれた

「よしよし、

覗くなよ」


「はーい、、、」

ドアに耳をつけて神経を集中させた

服を脱ぐ音が聞こえて

「キャー!」


「どうした!?」


「服が!消えちゃった」

ガンッ


ドアは優しく開けてくれ

頭を思いっきりぶつけた


「痛ってぇ」


「何やってんの?

脱いだ服消えちゃったどうしよう」


「消えるんだ、、、



これ着る?」

俺の部屋着を貸してやった

「ありがとう」

服はなんとか着れたみたいだった

ブカブカの服をナナコが着ている

少しエロい

「なんか目がエロいぞ」


「なっ、

とりあえず俺からみたら普通に着れてるように見えるけど、、、

ナナコを見えない人はどう見えるんだ?」


「確かにどう見えるんだろ?」


「あ、鏡!鏡見てみようぜ」







服が宙を浮いてるようにしか見えなかった



自分の目にはナナコが

彼氏のサイズの合わない服を着たエロい彼女にしかみえないのだが


こうして見るとナナコはこの世の人ではないんだなぁと実感する


やべナナコ落ち込んだかな



「ねぇ?これ

ちょー面白い!透明人間じゃん!

うわーすごーい」

うわぁポジティブ

「みてみて!ケイタさん

透明人間がいるよ」

ナナコは鏡の前から離れなかった

与えられたオモチャを遊び倒す子供みたいで

笑えてきた




俺、もう寝ていいかな?明日も仕事なんだよね




▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽


「おはよ」

お化けが目の前にいた


「うわぁあ!」

俺が寝てる間に準備したのか顔には血糊っぽいものをつせて三角巾で

お化けがつけるあれをつけていた

「わはははは

うわぁあ!だって!わはははは

うわぁあ!わはははは」


「バカやろ!

びっくりしたな死ぬかと思った」


「すごい傑作だった

明日もやろ」

おい、聞こえたぞ


あれ?いいにおい

「いいものを用意してやったぞ」

匂いの元を辿っていくと


ご飯、味噌汁、玉子焼き、たこさんウィンナー


「え?作ったの?」


「うん」


「てか、作れんの?」


「うん?うん触れるならやれるやんって

眠くならないし暇だったし」


「あぁそうか、

すげぇ完璧じゃん」


「早く食べれ食べれ」


「頂きます」


「召し上がれ」

昨日から家に住み着いたお化けは

彼女兼優秀な家政婦だったみたい

「なんかナナコって凄いな」


「もっと誉めてたもれ」

ナナコふざけてるけど照れ隠しにしかみえない

顔がにやけっぱなしだ


「ナナコちょっとこっち来てみ?」


「ん?なになに」

近付いてきた隙だらけのナナコに俺はキスをした


二人のファーストキス




ナナコは血だらけのお化け姿





俺の顔をジーっと見つめて

「ずるいよ」

小さすぎてかろうじて聞こえた

恥ずかしそうに目をそらした





そんなナナコに見とれてたら






遅刻した


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