あとがき 

お父さんのお墓は、家の庭につくった

かつてお父さんも、住んでいた家だ

お葬式もあれから身内で行い

お父さんの遺骨は

和室の仏壇にお供えされている



「お母さん、お仏壇だけど・・・」



私はお母さんにまだ許可を取っていない


お父さんの事を20年ずっと話さなかったお母さんだから

きっとお父さんのことが嫌いなはず



だけど



「いいよ。お母さんに許可なんていらないよ。」



「え・・・?」



「あなたにとってはたった一人のお父さんでしょ?私のことは気にしなくていいんだよ。」




そういってお母さんは、仏壇の前で手を合わせた


目から光をこぼしながら




――― ・・・死ぬまえにもう一度だけ見たかったよ、あんたの笑顔かお ―――




届かぬ言葉を、こぼしながら






あれからもお母さんはお父さんのことを話してはくれなかったけど

お母さんはお父さんを完全に嫌いではない、と思った





仏壇の中央に飾ったペンダントは




今日もまた、輝いて



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夢の中の彼女は ケンジロウ3代目 @kenjirou3

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