第八話『ミニドラゴン』
「なるほど、邪魔しないように頑張るよ!できるだけ弱いモンスターでお願いします!」
と僕は答える。
いきなりドラゴンとか絶対倒せないしね。
「よし、それじゃ、行きましょう!新チームの初冒険に!!」
と、ユカがにっこり笑顔でそう言った。
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「っていきなりドラゴンなんですけど!!」
そう、僕が呟いた。
意気揚々とユカがいろいろな手続きをして、僕らはクエストを紹介されていた。
そして、なんだかんだあって、僕らは、初クエストの目的地に立っていた。
「そして、目の前にドラゴンがいるなう・・・」
と僕がさらにつぶやく。
どうしてこうなった・・・
「まぁまぁ、ドラゴンって言ってもミニドラゴンだから楽勝よ!」
と美少女剣士のユカはカラッと笑う。
全然人の話を聞いてない美少女なのであった・・・。
そんな彼女はドラゴンを前に楽勝とか言っている。
「いやいや、そんなわけないでしょ・・・」
と僕は目の前に対峙した、『ミニドラゴン』を見てそう言った。
「全然ミニじゃないじゃん・・・」
僕はつぶやく。
ミニと言われたら、人間の子供ぐらいのサイズかな、と思うけど、まったくそんなことなかった。
ドラゴンの中ではミニ、ということなのだろうことは想像できるけど・・・
「普通に僕より大きいんですけど・・・」
と僕が言う。
たしかに僕はそんなに大きいわけじゃない。
とは言え、元いた世界には、人間より大きい動物なんてそんなにいない。
元いた世界では人間より大きかったら十分巨大だ!
「だいじょうぶ!だいじょうぶ!ミニドラゴンなんて私達でちゃちゃっと倒せるから、ケンジは端っこで見てれば、終わるって寸法よ!!」
と美少女剣士のユカが笑う。
「いや、寸法の使い方あってる?それ」
と僕は笑う。
なんとなくあっているような気がしないでもない。
検索しないとよくわからないけど。
「いや、それより、その発言、確実にフラグなんだけど!!」
と僕が付け加える。
マンガとかで『何もなく簡単に終わる』って前フリがあったら、確実に大変なことが起こる・・・
この世界の人たちにフラグという概念はないだろうけど・・・
そして、冷静に考えると僕の攻撃手段は
『炎弾 - ファイヤーバレット』
しかない・・・
「ほんとに、だいじょうぶなのか・・・」
と僕はつぶやく。
大丈夫な気がまったくしない・・・。
「ケンジは心配性なのねぇ」
とユカがケンジはしょうがないなぁ、みたいなテンションで言う。
「いや、ユカが適当過ぎるのでは・・・」
と僕が言う。
確実にそうだろう・・・。
「さ、ユカちゃん、おしゃべりはそこまでよ!」
と、おっとりお姉さんのハルカさんがユカに注意する。
「うん、はじめるよ」
と小さい美少女のシズクもそう言う。
「よし、じゃぁ、戦闘開始ね!」
と美少女剣士のユカが言う。
そう、僕よりも大きいドラゴンとの戦いが始まるのだった。
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