第五話『完全獲得 - パーフェクトスキルゲッター』
そして、その声は続く。
>『完全獲得 - パーフェクトスキルゲッター』
>『炎弾 - ファイヤーバレット』
>『加速移動 - アクセルダッシュ』
確認して驚く。
「え?なんだこれ・・・」
そこには『完全獲得 - パーフェクトスキルゲッター』という手に入れた覚えのないスキルがあった。
-
「『炎弾 - ファイヤーバレット』と『加速移動 - アクセルダッシュ』はわかる・・・」
そう僕は呟いた。
「『炎弾 - ファイヤーバレット』はブラックウルフにつかってたスキルでしょ?」
と美少女剣士のユカが微笑みながら言った。
そう、ブラックウルフは僕が戦っていた黒い狼。結局はユカが倒してくれたけど。
「ふむふむ」
と小さい美少女のシズクが頷く。
「『加速移動 - アクセルダッシュ』は??」
とユカが聞く。
「試してみよう!」
僕は言う。『完全獲得 - パーフェクトスキルゲッター』も気になるが、そう言えば、『加速移動 - アクセルダッシュ』も良くわからない。
「よし、じゃ行くよ!」
と僕は気合を入れる。
「『加速移動 - アクセルダッシュ』」
と僕が言うと、グググッと視界が歪んだ。
「おー!!すごい!!」
と小さな美少女シズクが喜ぶ。
無口な少女だと思っていたが、喜ぶときは喜ぶらしい。
ちょっと嬉しかった。
「ん??ワープした??」
そう、彼女たちの方を見てわかった。
スキルを使った時より、彼女たちとの距離がある。
「そうね!こう、ギューン!!って!」
美少女剣士のユカが擬音と手の動きだけで、説明してくれた。
その説明を聞いて、あ、いわゆる、天才タイプだな・・・と思った。
「スキルを発動した瞬間、加速した」
小さい美少女のシズクがしっかりと説明してくれた。
「そう、加速!加速ね!!」
とユカがわかってましたよ!!
というていで、シズクの言葉を繰り返した。
「なるほど、まさに『加速移動 - アクセルダッシュ』」
僕は、自分に起きたことを確認し理解した。
「これは便利そうだ!」
と、僕は喜ぶ。
そう、僕は体育とか得意な方ではないし、スキルというシステム上で高速で移動させていただけると、だいぶ助かるのだった。
「で、もう一個はなんだったの??」
とユカが聞く。
そう、もう一つ、手に入れた覚えのない
『完全獲得 - パーフェクトスキルゲッター』があったのだった。
「もうひとつは、パ・・・」
と僕がいいかけたところで、ユカが僕を静止する。
「あ、秘密だったらいいわよ!スキル使いにとって自分がなんのスキルを持ってるかは、秘密だものね!」
わかるわかる、と頷きながら、美少女剣士のユカが言った。
「いや・・・そんなわけじゃ・・・」
と僕は言ったが、ふと考える。
たしかに、このスキルは秘密にした方がいいかもしれない。
なぜならこの『完全獲得 - パーフェクトスキルゲッター』は、いままでの傾向を見る限り、たぶん・・・
『敵を倒すたびに必ずスキルを手に入れる』
という超チートスキルだからだ・・・
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