第1部までネタバレ

乱舞第1部あらすじ

 「乱舞るロンドはエンドを望む」第1部のあらすじです。


 第1部がなにぶん30万字と長いので、


 「読むのが大変!」または

 「割と忘れてるから復習したい!」ないしは

 「変態編だけ気になるから設定だけ抑えときたい!」


 という人などに、幅広く活用いただけるようまとめました。


 乱舞、ちょっと興味があるけど読むの面倒って人は、是非こちらに目を通した上で、サクッと第2部にいっちゃうのもおすすめです。

 あっちはまだまだ追いつけるよ!


 なお趣旨上、完全にネタバレしまくっているので、本編を楽しみたいという方はお戻りください。取り返しの付かないことになります。






+++++


*第1部までのあらすじ(ネタバレ全開)



 月谷つきやじゅん(男勝り系タラシ)、畠中はたなかあずま(姉御系変態メガネ)、草間そうま奈由なゆ(クール系生物狂)、白原しろはら杏季あき(天然系十歳児)の女子高生4人組は、女子校のぬるま湯に浸かりながら愉快な毎日を送っていた。


 なおこの世界は、理術という魔法のような力を誰でも使うことが出来る。理術には、自然系統(炎・雷・風・水・草・地)・人為系統(古・霊・鋼・音)という区分けで合計十種類の属性があり、人々は属性に応じた力を使用できる。

 ただし威力が弱いので、実用性は皆無である。



 ある日4人は先生に頼まれ、理術の力を強化するという薬を使用し、体育館に湧いた虫を理術で退治する。ついでに暴れすぎて備品を壊す。

【前夜祭アルマンド】



 その夜、花火大会を楽しんでいた四人は、突然、原因不明の金縛りに襲われる。

【夏と花火と私の刺客】



 帰り道、花火大会で彼女たちに術をかけたという『グレン』『ワイト』と名乗る男子高生が現れ、杏季を狙う彼らと夜道でバトル。

 春以外は薬の効き目が切れていた上に、グレンがやたら強い術を使ってくるので苦戦するが、『ヴィオ』と名乗る少年に助けられる。

【夜は短し走れよ乙女】



 翌日、改めて男子三人がやって来て、何故か春が持っていた聖精晶石を譲ってくれないかとの話をもちかける。聖精晶石は、持っていると理術の力が強くなる上に、相手の攻撃も無効化する石。やばい。

 奴らに渡すとヤバそうと判断した彼女らは抗うが、取り合っている最中にうっかり春が聖精晶石を飲み込んでしまった。なんということでしょう。

【砂糖菓子の団欒は打ち解けない】




 聖精晶石がなくなり一件落着と思いきや、翌日また杏季は別の男子高生たちに追いかけられる。グレンたちのリーダーたる『ビー』とその片腕の『アルド』、ついでにヴィオも敵側で現れてさあ大変。

 万事休すと思ったところに、女子ズの友人である佐竹さたけ琴美ことみ(漆黒)が颯爽と登場。琴美は瞬く間にビーたちを追い払って事なきを得た。

【白の街】



 寮に戻った彼女たちのところへ、先ほど交戦したヴィオがやってきて、仲間にして欲しいと告げる。

 ヴィオこと雨森あめもり京也きょうや(長髪ナルシスト)は、彼らの組織・チームCにいる友人を止める為に組織に潜入しているのだった。

 高校生7人だけの組織だが、彼らは制御装置(強い理術が使えないようにしている装置)を克服して強い理術を使いこなせるよう訓練し、古属性である杏季に目を付けて何かを企んでいるらしい。


 話を聞いた潤は、自分もチームCに乗り込みたいと宣言。

 当然反対するが、潤は性転換型の理術性疾患(理術の逆流により発症する疾患。男女逆転したり変形や変身したりする)であることから、双子の弟のふりをして組織に乗り込むと言ってきかない。


 話の最中、事情に詳しすぎる琴美を問い詰めたところ、彼女は杏季の護衛者(高いポテンシャルをもつ理術の使い手を密かに護衛する人)であると告白する。

 先日の虫退治も、杏季の力を隠す為に聖精晶石を仕込み隠蔽を画策したのだという。そんな杏季の能力ってヤバいんじゃないの? と皆は疑問に思うが、琴美は詳細を語ろうとしない。

【陰気なバディが会議を回す】



 翌日、潤がチームCに乗り込む。そこに理術の力を強化する補助装置というものがあることを知り、それを入手できないか企む。

 だが案の定、正体がばれ、京也は潤を人質に杏季を連れてくることを余儀なくされてしまい、潤は潤でビーに派手にボコられて負けるのだった。

 あと何故かビーが盛大に動揺してちょっとやらかした。

【虚偽の海に沈む佳日】



 杏季が連れ去られ、琴美はキレる。奈由も静かにキレる。

 ぐったりして帰ってきた潤だが、付加属性(後天的に発現する属性。『光』『闇』の二種類)で光属性だった京也の治療により華麗に復活。

 そして潤は補助装置を奪ってくることに成功していた。でも奈由にすごく怒られる。


 一方の杏季は、男子にビビったり、そのせいでワイトの不興をかったり、女子のベリーとはほんわか仲良くなったりしながらも、思いの外あっさり解放される。訳が分からない。【薬箱と標本】




 潤の件でいよいよビーのやり方に反目した、グレンこと染沢そめざわあおい(ヘタレ)が仲間になる。

 彼女たちは改めてビーたちと真っ向対決することを決意し、ワイトを味方に引き入れることを画策。その役を葵に託す。

【愚者のシンドローム】



 帰り道に道ばたで会ったベリーとバトルする中、潤が左腕を負傷していることが判明。京也にバレる。

 潤は他のメンバーにそれを隠そうとするが、「だったら絶対に他のメンバーに悟られるな」と京也は厳命する。

 その夜さっそく葵はワイトを勧誘するが、「杏季が嫌いだからそちら側にはつかない」と彼に宣言されてしまった。

【現代知人算定】



 次の日、図書館で偶然会った奈由と葵は、ワイトを引き込めなかったことや理術への疑念、共鳴について話をする。共鳴は、同じ属性同士の者で稀に起こる現象で、相手の危機を察知出来たりする。奈由はこれにより葵の存在を察知していた。

 そんな時アルドと遭遇。炎vs草で絶体絶命と思いきや、奈由の機転でアルドを打ち負かす。

【草の影、影の波】



 夕方、ビーに挑発されたワイトが杏季に攻撃をしかけてくる。全員が為す術なくピンチ。

 すると追い詰められた杏季、何故か自然系統の術全種類を発動。

 何事だよ、と思う間もなくその直後に彼女はウサギに変身してしまう。実は杏季は、変身型の理術性疾患だった。

 みんなにそれがバレて杏季はひきこもりかけるが、同じく変身型の理術性疾患だった京也が間に入ってどうにか落ち着く。

【真夏の歌迷走】




 色々なことに気付いて反省したワイトは杏季と和解。

 ついでにワイトこと臨心寺りんしんじ裕希ゆうき(マイペース男)はちゃっかり仲間になる。

【兎に日陰は似合わない】



 葵が行方不明となった兄を探すのを目的に組織にいたことが明らかになる。

 琴美は理術の真実を話す代わりに、この一件が終わった後は全てから手を引くよう皆に選択を迫る。葵含め、彼女たちは全員、真実を知ることを選択。約束を反故にした場合には琴美にそれが伝わるという、盟約の証の術を受ける。


 彼女たちは琴美より、補助装置を使い強い理術を使えるようになった状態は『開眼』と呼ばれ、更に一部の人間は開眼より上の『覚醒』という段階に至ること。

 杏季は先程の戦闘で覚醒したこと。

 覚醒した古属性の人間は自然系統の属性全てを『召喚』し操ることが出来ること。

 護衛者が護衛をするのは、覚醒する可能性がある古属性の人間であることを明かされる。


 更に琴美は、隠された世界の真実について語る。

 この世界の他に異世界が存在し、元々理術はそこのものであったこと。

 古属性には、世界への干渉をする力があること。

 制御装置があるのは、覚醒した古が世界に干渉をすることを防ぐ為であること。

 また異世界との間には『裂け目』と呼ばれる場所が存在し、誤って裂け目への扉が開いてしまった時、その場に居合わせた者は裂け目に引きずり込まれることがある。おそらく葵の兄はそれにより行方不明となったのだろう、と。


 世界の真実を知り彼女たちは慄くが、決意を新たにする。

 ちょうどその折にビーから着信があり、翌日に決着をつけるべく前面衝突することとなる。

【均衡の守り人】



 翌日の夕方。決戦の場所へ誘うべくビーたちの元へ赴いた春は、そのまま眠らされてしまう。

 代わりに彼女たちが集まっていた公園に姿を表したのは、高神楽たかぐら文彦ふみひこ。アルドの兄であり、理術の世界で力を持った一族の人間である。

 ベリーこと東風院とうふういん妃子きさこと共に現れた彼は、春を人質に杏季にビーの元へ来るよう迫る。杏季はそれに応じて、京也とベリーとで澪神宮へ向かう。

 他のメンバーは文彦の足止めを受けるが、葵と裕希は脱出に成功する。


 澪神宮では、春はビーたちと一緒に扉へ理術を放ち、裂け目への扉をこじ開けようとしていた。

 扉がわずかに開いたところで杏季たちが到着。続いて葵も到着し、春の解放を条件に杏季はビーのところへ行き、他の者たちの間で攻防戦がはじまる。


 一方公園では、脱出した裕希が文彦の術を打ち破り、潤たちを開放する。裕希と琴美はその場に残って文彦に立ち向かうが、一瞬でやられてしまった。

 しかし彼は後を追うことはなく、そのまま退く。


 戦いの中で敵も仲間も次々と倒れ、ほとんど動けない状態になってしまうが、春だけはアルドを打ち負かす。

 だが戦いが終わったその時、ビーは杏季を裂け目へと送り出すところだった。

【子どもたちは夜に惑う】



 ビーとのやりとりで、杏季は彼が本当には『悪』ではないのではないか、と疑念を抱く。ビーはそれを突っぱねるが、杏季は彼を信じながら裂け目へ赴く。

 ビーからは「裂け目の中にいる人を探し出し、その人物が持っている制御装置の核を壊して『在るべき姿に戻れ』と願う」ように言われていた。

 核を持つ二人の少女を発見した杏季は、しかしビーの指示が、杏季に二人と成り代われという意味だと悟り、他に方法がないか考える。

 すると二人の少女が目を開き、杏季から事情を聞いた後、とある提案をする。


 澪神宮では、ビーが世界の真実を語っていた。

 異世界から国を追われた人間が、裂け目を通ってこちらの世界にやって来たせいで、世界が繋がった状態になってしまい、扉による事故が起こるようになったこと。

 扉の事故をなくすため、裂け目にてそれを防ぎ続ける役割を担う『人柱』が送り込まれたこと。

 覚醒できる人間は『異世界人』の末裔であり、家系的には元々、人柱は杏季の役目だったこと。

 しかし杏季の一族はこちらの世界で記憶を失ったため、代わりにアルドの姉である高神楽たかぐら千花ちかと、ビーの義姉の水橋みずはし千夏ちなつが、人柱とされていること。


 ビーの目的は、杏季を裂け目に送り込み在るべき姿に戻るよう願わせることで、異世界人を異世界に強制送還させることだった。

 彼はただ、世界を正常な状態に戻したいだけなのだという。


 事実を知り呆然とする皆のところへ、裂け目から杏季が戻ってくる。

 そのまま戻った杏季にビーは憤るが、それは杏季ではなく、彼女の体を借りて現れた千夏であった。

 千夏はビーの行為を叱責し、必ず帰ってくるから待っていてくれと諭す。

 千花も現れて、ビーとアルドと話をした後、二人はまた裂け目に戻っていった。


 杏季の意識が戻ったが、直後にビーは裂け目へと飛び込んでしまう。

 杏季はビーを追いかけるが、自棄になった彼は戻る意思がない。千夏はああ言っていたが、裂け目に長時間いすぎると戻ってくることができなくなる。だから無理矢理にでも連れ戻したかったのだという。連れ戻せなかった今、元の世界に自分が戻る理由がないと。


 杏季は、ビーの独善的なやり方がいけなかったのだと告げ、二人と世界を両方助けるためにビーに協力して欲しい、その理由の為に元の世界に戻ろう、と訴えかける。

 杏季の無茶苦茶な理論に、しかしビーは心が動かされる。

 だが裂け目の奥に入り込みすぎて、ビーは更に深部へと引きずり込まれてしまう。


 そして地上では、裂け目への扉が閉まろうとしていた。

 閉まるのを防ぐため、潤たちが渾身の力を込めて理術を放つ。開眼していない彼女たちの力では到底足りないかと思えたが、扉は少しずつ閉じるのを止め、元の大きさにまで復元した。


 ビーを追った杏季は、どこからか聞こえた声の告げる不吉な言葉に動揺しながらも、彼をまた見つけ出す。

 既にビーは諦めかけていたが、杏季は必死に手を伸ばす。これまで敵対した自分に対しての彼女の行動を不思議に思いながらも、ビーは杏季の手を取り、無事に二人は戻ることができた。

【きみとぼくの狂った世界】



 杏季は千夏から頼まれた品をビーに届け、和解する。

 ビーは本名の水橋みずはし廉治ゆきはる(鬼畜メガネ)を名乗り、全てを取り戻すために協力して欲しいと約束するのだった。


 昨日の傷と疲労は負いつつも、清々しい気持ちで彼女たちは打ち上げに向かう。

 その途中、少し気になる言葉を耳にしつつ。

 彼女たちは、今日も全力で楽しむのだった。

【秋を迎える】

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