第11話 失念(前編)

 学校を飛び出した僕たちは街外れの廃工場に到着した。ここに芥先生の言っていた『上級陸上型イレイズ第25号』なる恐ろしい怪物が立てこもっている。

 25号は他の街のビショップ2人を殺害しこの街に逃走、配下のイレイズを呼び寄せてここを新たな拠点にしようとしていると先生は推測していた。僕たちビショップが陰陽部という集団を形成して戦いに臨んでいるように、イレイズ側も群れを作って効率よく餌となる人間を供給できるよう動いているのだそうだ。

 奥村先輩の情報によるとこの廃工場は所有する会社が倒産し、取り壊しの費用も出せず数年間手付かずのままになっているらしい。そこまで把握していてイレイズがここを選んだのだとしたら敵は人間社会の相当深いところまで潜り込んでいて、かつ高い知能を有していることになる。

 そんな強敵、25号は並のビショップが太刀打ちできる相手ではない。今回僕たちに課せられた任務は25号との接触を避けつつ可能な限りその他のイレイズを撃破するというものだ。正直言って戦闘経験の浅く毎回苦戦を強いられている僕に出来るかどうか、まったく自信がない。


「九条、準備はいい?」


 石上が緊張状態の僕に声をかける。尋ね終えると同時に、彼女は自身の青いプロメテを右手首に翳した。プロメテはそのまま溶けるように石上の手首に吸い込まれ、その色と同じ青い幾何学模様の痣を形成した。


「だ、大丈夫……いけるよ」


 僕も慌てて頷き彼女と同じ動作をする。自信がないと言っても、人の命がかかっている重大なミッション。弱音など吐いてはいられない。


『Tell me what you want to do. Tell me what you want to do. Tell me what you want to do……』


 プロメテを左の手首に溶け込ませた直後、頭の中で英語の機械音声が鳴り響いた。これが聞こえたらプロメテの装着が完了した合図だ。僕にしか聞こえない音声だが、石上の方でも自身のプロメテから同じような音声が流れているはずだ。


「じゃあ、行くわよ。魔力注入インゼクション!」

「い、魔力注入インゼクション!」


 石上に続き僕は同じ言葉を詠唱する。直後、左手首を通して僕の身体に冷たい風が吹き抜ける感触が走った。体内に取り込んだプロメテが僕の身体を魔力で満たした証である。

 これで戦闘準備は万端。後は敵の出方次第だ。


「それにしても、不気味だなぁ……ここ」


 入り口に一番近い建物に入った僕は辺りを見回して小さく呟いた。

 管理する者がいなくなって久しいのか、鉄骨二階建ての建物は鉄板の壁がすっかり錆びつきコンクリート床もボロボロの穴だらけで割れた隙間から雑草が生い茂っている。当然ながら照明など付いている訳がなく、壁際の窓からわずかに日光が入ってくるだけで昼間なのにかなり薄暗い。夏の夜にでも来たら肝試しにうってつけのスポットだろう。


「ここまで来て何言ってんの。ボサッとしてると置いていくわよ」


 建物内の雰囲気にそわそわしている僕を尻目に石上はずんずんと奥へ進んでいく。その後ろ姿から怖がっている様子は微塵も感じられない。


(ま、まぁそう言っても……)


 今さら何をびびっているんだ、とは自分でも思う。だがこれから僕たちが対峙するのは幽霊や妖怪ではなく本物の怪物なのだ。それが分かっているからこそ、余計に戦々恐々としてしまう。


「その、石上」

「なに?」


 うず高くパレットに積まれたドラム缶の山や埃をかぶった小型のショベルカーなどの重機の間を抜けながら進む道中、僕は石上に尋ねた。相変わらず彼女の態度は素っ気ないが無視せず返事はしてくれるので、もの凄く嫌われている訳ではないとは思う。


「金子……先生の、ことなんだけど」

「…………」

「やっぱり、本当なのかな。25号に消された……って」


 数学の鬼教師で知られる金子は3日前から行方不明になっており、確証はないがその原因が25号にある可能性が非常に高い、と出撃前に説明はされた。

 しかし今までイレイズと対峙したことはあったものの、ついこの間まで自分の日常の中にいた人間がそれによって命を奪われたことは初めてで、未だに実感が追いついていない。金子は別に僕の恩師だったわけではないが、流石に思うところはある。


「そうなんじゃない? 別に、珍しいことじゃないわよ」


 石上の答えは実にあっけらかんとしていた。彼女にとっても身近な人間が消されたと言うのに、声のトーンもいつものままだ。


(ドライだなぁ……)


 珍しいことじゃない。確かにイレイズが出現する度に人間が誰か一人は必ず消えているので、その通りなのだろう。しかしその事実を僕と同じ年月しか生きていない石上が平然と受け入れていることに違和感を感じずにはいられなかった。

 思えば彼女が友達と一緒にいたり誰かと楽しそうにお喋りする光景を僕は全く見たことがなかった。石上はもしかしたら、そういう実態を前から知っていたからこそ意図的に他人と深い繋がりを持つことを避けているのかもしれない。

 入学したての頃の円も積極的に誰かと関わっている様子はなかった。きっと、そうすることで心の負担を軽くしているのだろう。しかし理屈では分かるが、何とも言えない寂しさを感じてしまう。


 工場一階の開けた空間の散策を一通り終えた僕たちは、錆びついた鉄骨の階段を登った。工場敷地内に敵が潜んでいることは間違いないらしいが、それらしき気配は全く感じず聞こえるのはカンカンと鳴り響く僕たちの足音だけだ。

 先輩のパソコンで見せられたマップ情報によると、この工場は主にリサイクル施設として運用されていていくつかの棟に分けられているそうだ。今僕たちが調べているのは工場入り口に一番近い資材搬入棟という建物らしい。収められていたドラム缶の山や重機は恐らくその積み下ろしに使うのだろう。


「なんだろう、ここ」

「見たところ『事務所』って感じね。パソコンや電話がないからあんまりパッとしないけど」


 資材搬入棟の二階は一階と比べるとかなり狭く、事務机が壁際に集められている殺風景な事務所以外に部屋という部屋はなかった。廃業する前はここで車両や物資の管理をしていたことが分かる。が、今はほとんどの機材を撤去したためただの何もないただの広い部屋だ。

 ここにも誰もいないということは、イレイズは別の建物に集結しているのだろう。僕は踵を返して部屋を後にしようとした。

 その時だった。


「……! 九条、今聞こえなかった?」

「えっ!?」


 僕より先に何かを感じ取った石上が周囲の音に聞き耳を立てた。僕も同じように意識を集中していると、確かに音が聞こえる。硬い地面を、まるでハンマーのような鈍器で何度も打ち付けているような音だ。その間隔から音の正体が足音なのはすぐに分かった。


「ゆ、床が揺れてる……!?」


 音が聞こえた直後、僕たちの立っているカーペットの床が小刻みに振動を始めた。2階にも伝わるほどの重量が乗った足音は、少なくとも人間が出せるものでは絶対にない。


「近付いて来てる! 急ぐわよ!」

「うん!」


 僕は反射的に頷いて、走り出した石上の後を追った。僕たちがイレイズを探して奔走していたのと同じように、向こうも僕たちを探し回っていたようだ。


「う、うわっ……ごほっ!」


 一階に降りた僕たちの視界はいきなり砂煙に包まれた。土埃だけではなく、砕け散った細かいコンクリートの破片も混ざって空気中に飛散していている。粒子が目や鼻に入り堪らず僕は咳き込んだ。


(こ、これは……)


 視界が悪くよく見えないが、ぐわんぐわんと鈍く大きな金属音がにこだましていて何者かがこの場所で暴れていることは理解できた。この金属音は恐らく積まれたドラム缶が勢いよく倒された音だろう。


「どこだ! どこにイる!! ネズミどもメ!」


 片言だがはっきりとした日本語で僕たちを威嚇する野太い男の叫び声が響く。数秒経って煙が晴れたその先に立っていたのは、まるでプロレスラーのような体型をした大柄な男だった。風船のように膨れ上がった胸や二の腕の筋肉は、彼が身につけている赤い革のジャケットの上からでもはっきり分かるほどだ。


「……いた。二人もいた。両方殺せば、オレもアイツと同じだ……ウォオオオォォーーーー!!」

(金子じゃない!? ということは……)


 僕と石上に気付いた男は獰猛どうもうな笑みを浮かべ、雄叫びのような咆哮を上げる。直後、男の全身が浅黒く変色し岩のような硬い皮膚を形作っていった。全長も2mは軽く超えて、鎧武者の兜にも似た厳つい頭部には大きな角らしき物体が生えている。擬態を解いて怪物に変身したその姿は、動物に例えるならば恐らくサイかそれに近い陸上の生き物だろう。


「み、見るからにパワー系って感じ……だね」

「たぶん25号じゃないわ。でも油断しないで。こいつ、一体であたしたちのことを殺す気で来てる」


 サイのイレイズの足元に目をやると、コンクリートの床がベコベコに凹んで無数の足跡を形成しているのが見えた。壁際に鎮座していた重機もいつの間にか横転しており、このイレイズが今まで遭遇した敵とは比較にならないパワーで暴れていたことは容易に推測できる。


「オオオォァァーーーーーー!!」

「うわ!」


 サイのイレイズは再び雄叫びを上げたかと思うと、勢いよくこちらに突進攻撃を仕掛けて来た。幸い距離があったため、僕と石上は二手に散開して容易に突進を躱すことができた。


「うゴッ……!」


 イレイズはそのまま壁に激突し、工場壁面のコンクリートが轟音を立てて砕け散る。壁は直径約2mもの大きな穴を穿ち、外からの光が建物内に差し込むのを見て僕は息を呑んだ。あんなものを真正面から受けたら肉体を強化されたビショップと言えども一撃でぺしゃんこだ。

 だが、頭部を強く打ちつけた衝撃でサイのイレイズはふらついており大きな隙が出来ている。


「九条!」

「う、うん!」


 その隙を見逃さず、石上と僕はそれぞれプロメテによる能力を発現させた。石上は氷で作られた巨大な突撃槍ランスを構え、僕は左手首から這い出て来た炎の蛇を腕に絡ませる。


「たぁーー!!」


 そのまま僕は走って距離を詰め、炎の拳でガラ空きになったイレイズの脇腹を殴りつけた。

 しかし、急所に打撃を受けたにも関わらずイレイズは微動だにせず左手に走る痛みに僕は反射的に手を引っ込めた。


(硬っ!)


 このサイのイレイズ、動きが直線的で隙が大きいぶん肉体が信じられないほど硬い。全身を岩のように覆っている皮膚が決して見掛け倒しではないのが分かる。蛇を巻きつけた拳でも、跳ね返って来た衝撃はほぼ素手で殴りつけた痛みに近い。


「九条、どいて!」


 後方に一歩退いた僕の前に、石上が庇うように立つ。石上はその場で突撃槍ランスを地面に突き刺した。直後、その箇所を中心に地面に氷の膜が張られ、周囲の空気を凍てつかせた。

 イレイズの頭部や肩が、雪の積もったように白い結晶に覆われる。言うなればイレイズのいるその空間は真冬の雪山よりもさらに極寒の超低温。以前に魚人のイレイズを一瞬で無力化させた石上のプロメテの能力だ。


「ブゥオオオーー!!」


 しかしその超低温の氷結攻撃も、敵を倒すだけの決定打にはならなかった。意識を取り戻したサイのイレイズは両腕を大きく振り上げて全身を揺らし、覆っていた氷の結晶を次々に粉砕する。


「ちっ……距離をとるわよ。あいつの直線上に立たないで!」

「分かった!」


 効きが良くないことを察した石上が即座に僕に指示を出す。予備動作なしで繰り出される突進攻撃は、敵に近付いているほど回避が難しい。今のところ、この敵をどうやって撃破するか明確なビジョンは見えない。

 サイのイレイズは僕に狙いを定めると勢いよく駆け出し、近くを転がっているドラム缶などを蹴り飛ばしながら接近する。動きこそ速いものの、方角が分かりやすく10m以上離れた今なら避けることは容易だと、この時は思っていた。


「うぁっ!」

「九条!?」


 だが僕がタイミングを図りイレイズの脇を抜けようとした瞬間、突如伸びた太い腕が僕の制服の胸ぐらを捉え、強引に掴んだ。ギリギリのところで回避する直前、イレイズは急停止し僕の移動した方向に手を伸ばしたのだ。力に頼った大振りな攻撃手段しかないと思わせておいてのフェイント攻撃に、僕はまんまと嵌ってしまった。


「ぐぅ……!」


 超人的な怪力を持つイレイズは人形を弄ぶように軽々と締め上げ、僕はなす術もなく宙に浮いた。ミシミシと制服のボタンがひしゃげ、呼吸が苦しくなる。

 僕を持ち上げてサイのイレイズは再び走り出した。進路上にあるのは、またしても硬いコンクリートの壁。考えるまでもなく、自身の体重ごと僕を叩きつけて押し潰す気だ。

 サイのイレイズは硬く分厚い皮膚に覆われており、炎や冷気などの温度変化に強い。左手首から出現させた炎の蛇を奴の身体に巻きつけて熱で攻撃しようにも、僕が潰されるのが恐らく先である。


(くそっ!)


 僕は炎の蛇をイレイズ目掛けてではなく進路上の壁に向けて射出した。壁を破壊しないよう、僕の身体から出て行く魔力の量を最小限にとどめるよう強く念じる。

 進行方向に伸びた蛇は壁に当たった後、バネのようにとぐろを巻き逆方向に力を加え突進攻撃の衝撃を相殺する。


「うっ……くっ……!」


 それによって僕は潰されることなく壁から数m手前で何とか持ち堪えることが出来た。しかし単純なパワー勝負では分が悪く、宙に浮いているため地面に踏ん張ることも出来ない。僕と壁の距離はじりじりと詰められていく。


(真正面からぶつかるから負けるんだ! 考えろ、重くて硬い敵ならどうやれば倒せる……!?)


 今この状況は相撲と一緒だ。サイのイレイズはひたすら真っ直ぐに力を加えている。しかし相撲の試合は常に腕力がある方が勝つ訳ではない。相手の予想外の方向から力を加えて、さっき敵が仕掛けてきたフェイントのように時には相手の力すら利用する。そうやって力で劣る側も相手を制することが可能なのだ。

 

(いけるか……いや、行く!)


 僕は一縷の望みを賭けて、壁に押し当てていた炎の蛇を消して体内に収束させた。直後、急に抵抗が止んだことによりサイのイレイズの姿勢が一瞬前のめりになり、僕の首から思わず手を離す。

 その隙だらけの前足に向かって僕は再び炎の蛇を出現させ何重にも巻き付かせた。


「こっ……のぉ!」

「グァ!?」


 無防備な軸足を掠め取られたイレイズはその場でバランスを崩して転倒した。その脇を僕は間一髪のところでくぐり、なんとか下敷きになるのを回避できた。僕とイレイズは壁まで目と鼻の先の距離まで接近しており、判断が一瞬遅れていたら間違いなく潰されていただろう。我ながらよく切り抜けたと思う。


「う……っ……げほっ……!」

「九条、大丈夫!?」

「……なんとか」


 駆けつけた石上が咳き込んでいる僕に無事を尋ねる。立ち上がった僕の見た目は全身砂埃まみれの上に制服のボタンが歪み、胸元の部分がところどころ破れていたりなどしてかなり凄惨なものだったので、流石の彼女も心配になったようだ。

 起き上がって再び距離をとった僕は、倒れて未だ動けないままのイレイズをじっと見据えた。


「でもまだ、倒せてはいないみたい」


 数100kgは軽く超えている巨体が顔面からコンクリートの床にダイブしたのでダメージを負ったのは確かだ。しかし、それでも致命傷には至らずサイのイレイズはよろめきながらも立ち上がった。


「いや、十分効いているわよ。あれは」


 石上が指さしたのはイレイズの胸部分だった。全身を覆っていた黒く硬い皮膚に細かい亀裂が走っている。いくら耐久に優れていても、急激に冷やされたり加熱させられた後に強い衝撃を受けたことで内部が脆くなったのかもしれない。


「あともう一押し必要ね……あたしがトドメを刺すわ。九条はなんとか奴に攻撃を加えてみて」

「く、加えてみてって言ったって」


 石上が右手首の痣を光らせて巨大な突撃槍ランスを構えた。そこから放たれる冷気は先程とは比べ物にならず、周囲の空気を凝結させて白い煙を発生させる。


(石上、力をチャージしているのか)


 傷の部分にさらにダメージを蓄積させ、さらにこれだけの魔力を込めた突撃槍ランスを思いきり突き刺せば、確かにあのイレイズを倒すことは可能かもしれない。

 しかしさっきまで突進攻撃で僕たちを狙っていたサイのイレイズは、打って変わって今度は全身を使って腕をを大きく振り回し、防御の姿勢を取り始めた。弱点を晒してしまっていることを理解しているのか、胸元の亀裂を僕達に見せないようにしている。


「なら……無理やりあの腕を引き剥がす!」


 僕はイレイズとの距離を保ちつつ石上から離れるように走り出した。石上が氷の魔力を生み出している横で炎の蛇を出現させたら、上手く温度を下げることが出来ず邪魔になってしまう。それに石上の攻撃を誘導させるには敵の注意を僕に逸らす必要があった。


(……伸びろ!)


 走りながら僕は左手首の痣に右手を当て強く念じ、炎の蛇を出現させる。蛇はそのままサイのイレイズの右腕に巻きつき、ぎりぎりと締め上げた。だが炎の熱は皮膚の表面を焼くだけにとどまり、さっき転ばされたことで警戒しているのか、イレイズは腰を落とし重心を安定させて微動だにしない。


「なめやがって、こんなモノで! このオレを!」

「わっ……!」


 サイのイレイズは口汚く悪態を吐くと巻き付かれている右腕を勢いよく振り上げた。それに引っ張られ、逆に僕がバランスを崩して転倒する。


(ぐっ……でもここが、正念場!)


 単純なパワー勝負で勝ち目が無かったことから、蛇を絡ませただけで押し勝てるとは思っていない。プロメテの能力で蛇を収束させると重量が軽い僕の身体が持っていかれてしまう。目的は傷の部分を露出させる隙を作ること。

 僕の身体から炎の蛇はさらにずるずると這い出て来て、僕とイレイズの間を直線ではなくコイルのような螺旋状の形で繋いだ。その蛇の隙間からは火の粉が噴き出ており、螺旋の内部はまさに灼熱地獄とも言える高温である。


「グッ……ウゥォォ……!」


 右腕を焼き続ける炎に流石にサイのイレイズも苦悶の声をあげて左手で引き剥がそうとする。対し僕は全身が鉛のように重くなり起き上がれないでいた。炎の蛇を身体から出し過ぎると起こる弊害だが、そのぶん解き放たれる火力は絶大だ。


(……今だ!)


 僕は前回のカメレオンのイレイズを撃破した時のように、螺旋状の蛇の内部を通して火球を打ち出した。

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