第17話 和幸の娘と名乗る、神谷奈々の真実
一体俺はどうすれば良いのでしょうか?
何故、見知らぬ女子小学生にパパと言われているのでしょうか?
いやマジで全く訳が分からないZO♡
自分で言って気持ちが悪いな。
「えっとね!パパ。やっと見つけたよ。ここまで本当に大変だったんだから.....いーっぱい甘やかしてね」
「..........」
「.....すまん。見知らぬ女の子にパパと言われる筋合いは無いんだが。しかも有り得ないだろ!俺はまだ16歳だぞ!パパと呼ばれる意味合いが分らないんだが?」
「え?でもパパはパパだよ?」
何を言ってんのこの子?
見開く9歳の茶髪で、ニコニコの、童顔の、身長は俺の半分の顔立ちがやたらに整っている美少女児、神谷奈々(かみやなな)。
かなりマジな感じで奈々が俺の娘と主張して10分が経過した。
俺達はリビングの席に奈々に対面する形で居る。
奥では台所で作業しながら少しだけ心配げな顔を浮かべて居る三宝さん。
俺は顎に手を添えて本当に申し訳無いが首を傾げる。
今、本当に何が起こっているのかさっぱり分からない。
しかも悪寒がする。
一歩が顔を歪めて俺を見ながら黒の炎を上げているから。
これかなりヤバイ気がするZO?
殺されるんじゃねーのか俺は。
「.....パパ。私ね、必死に探して此処に来たんだよ?嘘じゃないもん」
「どう考えてもおかしい。俺に娘は居ない。そして俺はどう.....」
「和幸。それ言ったら殺すよ」
どっかのドンかよ一歩、お前は。
でもそうですね。
女の子に童貞、言ったらいけませんよね。
俺は溜息を吐きながら、うーんと考えてみる。
すると、奈々が椅子を降りて俺の腕に自分の腕を絡ませてきた。
「難しい話は置いて、パパ。遊ぼう?」
「.....だから俺はお前のパパじゃ無い。.....って言うか!マジで有り得ないだろ!」
これは一体どうすれば良いんだ!?
真面目に困るんだが。
俺はその様に思いながら、ピョンピョン跳ねる奈々を見る。
すると、ポケットから何か落ちた。
コトン。
「.....?」
「あ、お守り.....」
奈々は落ちたお守りを拾った。
って言うか、今のお守り。
見覚えが有るんだが.....。
そう、何か。
えっとアレだ。
「.....お前.....!?」
「え?」
「.....どうしたの?和幸」
一歩が、奈々が俺に向いてくる。
確か俺は3年前まで蕾の家に遊びに行っていた。
その時に虐待で蕾の家に預けられていた当時6歳?の奈々に好かれていたんだ。
蕾の家がどうしても引っ越さなければいけないと同時に奈々は実の家に帰る事になったので、名残惜しそうにしていた奈々に別れる時にお守りを預けた。
何か有ったら俺を頼れ、と言って。
奈々の両親は心底反省していると児童相談所が判断して、奈々は家に帰った。
それらの事を何故、奈々は覚えて無いんだ?
「.....俺は奈々に俺のお守りを預けた。そして俺はこの子に何か有ったら頼れって.....言った.....確かに言ったが.....それを忘れていた」
だが、何故今頃。
俺はハッとしてそして、直ぐに奈々をジッと見る。
それから良く考えた。
奈々は確か、記憶障害が有ったよな?
まさかまたそれか?
また虐待されてショックで失ったってか?
「.....虐待か.....」
「.....え?」
一歩が見開く。
俺の呟きに、だ。
奈々が俺を見ながら驚愕する。
「え?虐待?私は至って普通だよ?パパ!」
また虐待されて記憶を失った。
それも断片的に。
それを考えると確かに全ての筋が通っている。
また虐待か.....。
「.....記憶が混乱しているんだと思う.....それを考えると.....」
「.....それでこの子は私達を頼っているって事?」
「それって本当に?和」
キョトンとしている、奈々。
俺を親父と勘違いしているのは多分、お守りをくれた優しさ故に、だ。
だから俺を親父と思っているのかも知れない。
なんという事なんだ.....。
「.....お義父さんに.....相談する?」
「.....そうね.....」
三宝さんと一歩が本当に困惑している。
俺は袖を引っ張られながら、奈々を見つめる。
良く見ると奈々の頭に×の様な傷が有る。
ほぼ間違い無く、今も奈々は虐待を受けていると思われる。
どうしたら良いのだろうか。
このまま家に返せば、また虐待が始まると思う。
「.....奈々。お前、何も覚えて無いのか?」
「うーんとね、学校行ったら記憶が無くなっちゃって.....その時にポケットのお守り見たら、私はパパが居るって、家はここだって!思い出したの!」
俺のお守りがまさか記憶を思い出させるなんて。
皮肉なもんだな。
どうしたら良いのだ?マジでどうしたら。
義妹は超絶〇〇〇〇だ 〜兄を嫌うなんて有り得ません〜 ※工事中 アキノリ@pokkey11.1 @tanakasaburou
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