第11話 瀬川優と佐藤蕾の仲

驚愕の真実だった。

と言うのも、蕾が何で優ちゃんと知り合いなのか。

それは、蕾と優ちゃんが近所に住んでいて蕾がいつもお世話になっていたそうだ。

所謂、幼馴染と言える。


「って言う感じ!.....いやー。でも本当に驚愕!いつも蕾が話していた、山本くんってこの学校だったんだ!蕾、今居ないけどねぇ.....」


「は、はい」


「あれ?何でそんな他人行儀なの?」


「い、いや」


屋上に俺と優ちゃんは居る。

側で?を浮かべている優ちゃんに俺はドギマギしていた。

そのグラマナスな感じの身体に、大きなバストってか胸、顔立ちも目鼻立ちが整いメチャクチャ美人。

そしてちょこんと袖から出た手。

更に、長いツヤツヤした黒髪。

つまり、全く非がない。

これで成績優秀ならもう一歩も超えるかも知れない。

俺は赤面で、モジモジしていた。

そんな俺は気持ちが悪いが。


「あ、もしかして私のグラビアのファンになっているのかな?君も」


「.....いや、俺、昔から貴方の事が大好きだったんで.....」


ちょ、俺よ。

何を言ってんダァ!

俺はボッと滅茶苦茶に赤面して、俯く。

横を見ると、そっか。

という感じでニコッとしている、優ちゃんが居た。

俺は汗を流しながら、優ちゃんの反応を待つ。


「ああ、そうなんだ.....残念だけど、私、恋は出来ないんだ。事務所の意向とかじゃ無いんだけど、昔の事で心に傷が付いててね.....」


「.....はい」


「求愛なら幾らでも受けたよ。でもね.....心を潤せてくれる人は居なかった」


「.....」


優ちゃんは悲しげに遠くを見る。

俺はそんな優ちゃんを見ながら、哀愁漂う感じに言葉を選んでいた。

すると、いきなり屋上のドアが開いて。


「あ!こんな所に居た!か.....え!?」


「.....違うぞ。一歩。何を勘違いしている」


「.....あのね、付き合っちゃ駄目ってあれ程言ったよね.....?か〜ず〜ゆ〜きぃ〜?」


「この人は優ちゃんだ!瀬川優センパイだよ!付き合っている訳じゃねぇ!」


これに対して、目をパチクリした、一歩。

そして、あのグラビアの?

と言って驚愕している。

すると、優ちゃんが立ち上がって俺を見てきた。

ニコッと笑みながら。


「彼女さん?」


「いや、義妹です」


「.....ふーん。とっても可愛い女の子じゃ無い」


優ちゃんは一歩を見た。

そして、ゆっくりと近づいて行く。

少しだけ身長差がある為、一歩がタジタジした。

それから、耳打ちを.....?


「そ、それは無いですから!!」


「.....???」


何を耳打ちしたのか知らんが。

俺は?を浮かべるしか無かった。

すると、優ちゃんが俺の方を見て来て手を振る。


「.....じゃあね。山本くん。また後ででも」


「は、はい.....?」


その場に、一歩と俺が残され。

優ちゃんは去って行った。

一歩に近づく。


「.....どうした?オメー」


「何でも無いわよ!!バカァ!!」


「はい!?」


そして、髪の毛を翻して駆け出して行く一歩。

ちょっと、何がどうなってんだ?

俺は呆然として立っていた。


「マジでなんなんだ」



「おい」


「.....」


「オイってば」


「.....」


反応しろよボケナス。

俺はその様に思いながら、悠平を見た。

悠平は頬を膨らませて嫉妬している。

このクソバカ。


「.....お前な。さっきから説明しているだろ。優ちゃんとは付き合っている訳じゃねーって.....」


「.....アァ!?テメェはアホか!そういう問題かぁ!!」


唐突に俺の胸ぐらを掴んで、血涙を流す、悠平。

クラスメイトが悠平の後ろに付いた。

なんだよお前ら.....。


「美少女ばかり知り合いが居るお前に嫉妬している馬鹿野郎は俺だけじゃねーぞ.....コロス.....コロス.....その羨ましい生き血を求めて!!野郎ども!やっちまえぇ!!」


「「「「「おおおおお!!!!!」」」」」


「ふざけんなお前ら!よし分かった!片っ端から撃破してやるぞ!」


昼休みが終わる前にカタをつけてやるぜ!

分からず屋は掛かって来いやぁ!


ガラッ


「山本くん」


「.....ほあ!?」


突然、教室のドアが開いて。

長い髪をなびかせながら、優ちゃんが現れた。

俺はクラスメイトに押さえ付けられている時だったが。


「.....だ、大丈夫!?」


「は、はい。って言うか、どうしたんすか?」


「あ、えっとね.....蕾の事、宜しくねってただそれだけ」


「.....?」


俺は?を浮かべる。

そして、優ちゃんは、じゃあね、と去って行った。

俺は首を傾げていたが考える事ができそう無い。

重いんだよお前ら!!


「先島の言った通りだ!」


「ぶっ殺せぇ!」


「いよっしゃぁ!!」


「お前らいい加減にしろぉ!!」


俺は抵抗する。

その様な感じでこのアホどもを倒せぬまま。

キーンコーンカーンコーンとチャイムが鳴った。

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