第6話 私をオタクにして!!

ブラコンは面倒臭い。

なんか名言っぽく言ってみたけど、きっとこれ見た全員が(名言じゃねぇよ、迷言だろ)と納得はしないと思う。

俺と一歩は夕方に帰宅してから夕飯を食っていた。

その間、一歩がチラチラ俺を見てくる。

何だよオイ。


「.....一歩。良い加減俺を見るの止めてくれよ。何だよ一体」


「は、はい?そんなにチラチラ頻繁に見てないし!」


「.....いや、親父と三宝さんも見ているのにそれは意味無いと思うんだ」


「そうよ。一歩。一体どうしたの貴方。朝とえらく違うじゃ無い」


三宝さんが目をパチクリして聞く。

その言葉に、う、と言葉を発してからプシューという蒸気音が聞こえそうな感じで真っ赤になった、三宝は食べ掛けの食事を片付ける。

そして、台所から歩きながら喋ってリビングのドアを開けた。


「ご、ご馳走様!もう寝るから!」


「ちゃんと歯を磨いてよ?」


「分かったから!」


バタンと閉まる、ドア。

親父は俺を厳つい真顔で見てくる。

俺は盛大にため息を吐いた。

そして、テレビの音だけが響く。


「どうかしたのか。一歩は」


「.....知らないな.....」


「そうか.....」


いや、まぁ原因は何と無く。

多分だけど、手帳のせい。

それであんな感じになっているのだと思われる。

全くブラコンは大変ね。

俺はその様に思いながら、鼻息を出した。



「さて、音楽でも掛けて勉強でもすっかな」


取り敢えず、高校2年になったら勉強大事って事で俺は勉強をしている。

高三になったら忙しくなるだろうな。

その様に思いながら、だ。


「.....高三になったらネトゲとかしている暇無いだろうな.....」


その様に少しだけ落ち込みながらノートを広げる。

それから教科書を広げ、勉強を始めた。

耳栓して、音楽を聴く。

どうせ誰も来ないと思って。


「♩」


「〜〜〜〜〜」


ガチャッ スポッ


「和幸!!」


「うわぁ!?」


突然、部屋に誰か出現した。

何だ!?モンスターか!?

と思って耳栓を外した主を確認する。

何だ一歩か。


「って一歩!?お前、何やってんの!?」


「ちょっと話が有るんだけど」


「ハァ?俺いそがし.....」


「ハァ?女の子の頼みが聞けない訳?」


聞きます、すいませんでした。

俺はその様に呟いて頭を下げて、しぶしぶイヤホンを外して付いて行く。

って言うか、思ったけど。

一歩が俺の部屋に入って来るとか初めてじゃね?



ガチャッ


「.....で?話って何?忙しいんだけど」


「.....あ.....おた.....」


「聞こえんわ。何?」


その様に話すと。

突然、ッ!という感じでモジモジしてから。

俺に赤面で大声を発した。


「.....あ、アンタのオタク趣味を教えろって言ってんの!!」


「ああ、オタク趣味.....って、ハァ!!?」


コイツ、勉学優等生なのに何言ってんの!?

俺は真面目に驚愕した。

え?ってか、え?


「.....べ、別にオタク趣味に興味は無いけど、あ、アンタと共通の話題が欲しい!ほら私とアンタが仲良く無いとお母さんとお義父さんに心配されるから!」


取り敢えず、否定と肯定が一緒になってんぞとツッコミを入れたかったがそれより前に手を前に差し出した。

オタク趣味って俺の好きな2次元美少女の話をですか?


「お前さ.....流石に無理が有ると思うぞ。それは」


「何!?私がオタクになったら駄目な訳!?」


「無茶苦茶な!違うっつってんだろ!」


「じゃあ早く美少女.....とか教えて!少し.....エッチって事は知っているから!」


うわ、どうすんのこれ!?

マジで面倒臭い!

俺はその様に思いながら、迫り来る一歩を静止する。

すると一歩は。


「あ、アンタと話題を合わせたいが為にワザとパソコン画面も可愛い女の子にしたのに!」


「え、ちょ、お前マジで!?」


点けられたパソコン画面を見る。

確かに、美少女.....うわぁ!?

何でだぁ!!?


「何で18禁ゲームなんだよ!エッチだなお前!」


「は、ハァ!?この画像.....これ18禁ゲームなの!?!?.....エッチ!バカ!変態!」


「お前だ!!それは!!」


最低だな!

俺は真っ赤になってその様に叫ぶ。

すると、真っ赤になって反撃して来る一歩。


「早く画像を変えろ!お前よ!」


「言われなくてもそうするわよ!.....でも2次元の美少女ってこんなんばっかなんでしょ!?」


お前、オタクになっている方々全員に謝れや。

俺はその様に思いながら、一歩を見る。

そしてニヤッと笑んだ。


「.....2次元美少女が全部エッチだと思ったら大間違いだ。.....良いぜ.....本当のエッチオタクにお前をしてやるからな.....」


手をワサワサ動かしながら、その様に話す。

これに対して、何処かに気持ち悪いという顔でTELしている、一歩。

画面上に110と表示.....ぎゃああ!?


「ばっかお前!冗談に決まっているだろ!」


「あ、そうなのね。良かった」


これから気を付けよう。

親父に捕まったらとてもじゃないが、やってられんし。

オタク趣味もあまり容認してない様な親父だから。

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