第2話洞窟

俺は洞窟にいるのだろうか。めちゃくちゃ寒いしめちゃくちゃ鍾乳洞が沢山ある。


「おーい」


と叫んでみると


『おーい』


と返ってきた。それに感心していると隣からユナが話しかけてきた。


「亮一君若くなった?」


「あ?」


突然理由が分からないことを言われたので威圧的な返しをしてしまった。


「いや、あ?ッじゃなくて。亮一君、そのなんというか...すごい若返っているよ」


「あ?」


すまん。説明されても訳が分からない。


「どういう事だ?若返ったって何?口説いてるの?凄く嬉しいんだけど、置かれてる状況を考えて言ってくれ万能メイドさん、よ」


どこかも分からない洞窟の中にいるんだ。どうやって抜け出すかを考えなければいかんだろうよ、ユナさんや。


「ちっがうわ、バカ。自分の声とか体に違和感とか感じないわけ?」


あ...そういう事か。確かに言われてみれば体が動きやすくなってるし、声も若干若くなってる。


「そ、そうだよな。すまん、言われてから違和感に気づいた。鏡とかってあるか?」


「どうぞ」


ユナの胸ポケットから手鏡が出てきた。




鏡を見た瞬間、俺は驚愕した。


「えぇぇええぇえぇぇ!!」


そこには見たこともない顔になっていた。いやユリスが言ってた『特典』って若返って前世よりもマシな顔にしてくれたのか。ちょっと嬉しいな。


顔はブス、ではないけどイケメンって訳でもないな...中の上くらい。なかなかいい顔してんじゃん。


「この身体なら女の子食べまくれる!」




『この身体なら女の子食べまくれる!』


スゲェ虚しいな、この天然エコー。横にはとてつもなくゲンナリしているユナの顔があった。流石に女の子の隣で言うことではなかったか。申し訳ない。


「だから亮一君は童貞なんだよ」


『だから亮一君は童貞なんだよ』




天然エコーが俺の心にトドメを刺した。







「ユナ、アモリスクって地域名か?それとも惑星名か?」


「アモリスクは惑星名だよ。アモリスクの規模は地球とほぼ同じ大きさで、気温も地球と同じ感じになってるよ」


そうなのか、ならメインとなる種族は人間だろうか。


「アモリスクを支配しているのは人間か?」


「そーだよ。ユリス様が亮一君の脳に言語データをいてくれたみたいだから、コミユニケーションも取れるよ」


そいつは有難いな。ありがとうユリス。愛してるぞー!


アモリスクの事についてしいたいことは大体分かった。後はこの洞窟から抜け出すだけだな。


「おい、ユナ。この洞窟から抜け出す為にはどの方向に進めばいいんだ?」


「このまま真っ直ぐ進むと商業の街『コメハンデル』左に曲がって2本目の十字路を右に曲がると初心者冒険者が集まる街『イニシオン』回れ右をして真っ直ぐ進むと農園の街『アグルコス』があるよ」


「ほう」


どれも面白そうな街だな。でもやっぱり異世界転生モノって言ったら冒険でしょ!イニシオンで決定だな。


「じゃあ『イニシオン』に行こうかな。」


「オーケーです。万能メイドのユナちゃんに任せなさい!」


ユナはウフフと笑いスキップをして左に曲がった。おいおい、大丈夫かよ...


とにかく今俺に出来ることはユナに着いていくだけだからな。


「ちょっと待てよ、ユナ!」


こうして俺の冒険は始まったかもしれない。

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