アードベッグ コリーヴレッカン【スコッチ】

 今回は待望のこの子の紹介です!


 アードベッグ コリーヴレッカン


 推しのアードベッグブランドながら、お高いために躊躇していたコリーヴレッカンを今回お迎えしました!

 巷の評としては、深化したアードベッグTENの正当後継品といった感じですが、まさにその通りといった懐深い奥深さを感じます。

 購入店舗のPOPによるとマニアの間での愛称はコーリーだそうです。

 そうですとも! この娘はまさに! 愛しのラヴリィコーリィィッ‼


〇ストレート

 香りは確かな煙と共にモルトを感じるからでしょうか、厚みを感じる煙さがあります。嗅ぎ続けると鉋掛けしたばかりの木材と黒胡椒系のスパイスを感じます。不快なアルコール感はありません。

 口にすると触れた舌が焦げたかと思うほどの煙さ、モルト、鼻抜けするスパイシーさ、干すと現れる木質さと再びの煙さが訪れます。遠くに立ち込める煙さと目の前で木々が燃える煙さの両方を同時に感じる重厚な煙さのハーモニーを感じます。

 味わいの要素は強烈そのものですが不思議と飲みやすいです。

 ただし、個人的にマリアージュは壊滅的で、揚げ物を食べても固形物がチェイサー扱いにあるほどの濃厚さで主役にしかなれない味わいです。


〇加水

 室内に充満した煙のようなスモーキーさと鼻をくすぐるスパイシーさが鼻をくすぐります。

 味わいは甘さとモルト、スパイス、駆け上がってくる煙さ。

 余韻は真っ黒な煙さに赤いスパイスのキレと不意に感じる甘さといった感じ。加水しても長い煙さの余韻が心地よいのは素晴らしい。


〇ロック

 香りはとても大人しくなりました。静かに煙さ、感じやすくなった大人しいモルトと、木質とスパイス感もあるように思います。

 口にするとハチミツめいた甘さ、スパイス、せりあがってくる煙さ、キレはスパイシーです。二口目からは煙さとスパイス感が目立つ印象です。

 十二分に美味しいですが、他の飲み方と比べると面白くないというのが個人的な感想です。


〇ハイボール

 初めに煙さ、次に松脂でしょうか? ハーブ系の苦みを伴う爽やかさを感じます。鼻を近づけると潮、モルト、スパイスを感じます。流れのある香りで、香ばしく刺激的ですがしつこくなく厚みを感じます。そして他の飲み方と比べて磯感を感じ取りやすく感じます。

 口にするとまとまった煙さが現れます。酸味とオイリーな酒質ゆえのまろやかさ、短いがモルトを感じます。干すと黒々とした煙さが現れます。ちびちびと楽しみたい味わいですね。

 これはまるで穏やかな日差しの海岸沿いでやるBBQのような味わいです。



 この子はあれですね、貴族のお家の長身末っ子ちゃんですね。

 身長180以上でボンキュッボンのナイスバディで色々とでっかいのですが、パンツスタイルを好み均整がとれてるためかスマートな印象です。肩甲骨辺りまであるストレートヘアと大きなツリ眼は非常に麗しく女性的で黙っていれば凄味がありますが、顔つきは童顔でどこかつるりとした印象です。

 そのどこかチグハグな取り合わせのせいか、それとも愛想の良さだからか、あだ名はラヴリィコーリー、皆に好かれます。

 他人の心に寄り添う確かな優しさを持ち、それが名家の生まれという恵まれた環境ゆえのものかと自問自答する聡明さと面倒臭さを内包しています。そして普通のヒトの気持ちが分かるからこその弁えた振る舞いと、名家故の誇りを決して失わないところは矛盾しないはずですが、自分についた嘘が堆積していくこともまた事実です。

 素の性格は結構な甘えたで、かまってちゃんな末っ子ちゃんがそういうものを抱えてるっていいですよね? そう、悪趣味ですか(泣)

 妄想コラボになってしまいますが、シーバスミズナラ18年ちゃんのように同じ名家の産まれで拗らせて尖がってる娘との掛け合いとか、楽しそうですね。あるいはアードベッグTENが長女で末っ子コーリーとで当主争いとか?


「家のことはあたしの方がきっと上手くやれる。姉さんだって自由な方が性に合ってるでしょう? だから……!」

 奔放な姉を家から解き放ちたい末っ子がいつものニコニコ顔を捨てて訴える。

「コーリーはホントに優しいな……けど、私は姉だ。私が当主アードベッグだ。いちいち屈んで私と話をするな。コーリーの高さから私にモノを言え」

 対する姉は優しさを受け止めてなお、鼻で嗤って笑みを咲かせる。

 みたいな?


 キャソンは岸田教団&THE明星ロケッツで『Hack on the world』でよろしくっ!


 妄想が過ぎるぞっ‼



 味わいはアードベッグTENを上質に磨き上げた印象。

 強烈な味わいに反して飲みやすいのに、他の追従を認めないクセの強さがあるという矛盾と評するような味わいが舌根で弾けて背骨を震わせます。

 潮気やケレン味は感じにくくなり、飲みやすい反面、アードベッグTENで感じた荒々しさの方が好きという方もいるのではないでしょうか。


 アードベッグ コリーヴレッカン


 価格は1万円ほど大きな酒屋特に都市部のマニアックな品ぞろえをカバーしているお店なら売っている印象です。

 アードベッグが好きなら試して欲しい。逆それ以外に薦められる窓口のないお酒だと思います。



 お勧め点数はこんな感じです! 飲みやすい且つアードベッグファンしか嗜まないテイストはコスパ的には劣るという評価に落ち着きました。


 世楽好み ☆☆☆☆☆★

 万人受け ☆☆☆

 コスパ  ☆

 合計   10点



 ちなみに妄想パートに出てきた二品の紹介回はコチラです! 


 アードベッグ TEN

https://kakuyomu.jp/works/1177354054887337556/episodes/1177354054888495195


 シーバスリーガル 18年 ミズナラカスクフィニッシュ

https://kakuyomu.jp/works/1177354054887337556/episodes/16816927862369826420

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