【おすすめ】ツインアルプス【ジャパニーズ】


 前回のハディントンハウスは酸味主体ながらバーボンとも違った味わいであることからお勧めしました。

 今回は同じ方向性の味わいを感じるウイスキーのご紹介です。

 基本価格1800円程で本エッセイの主眼とやや離れてしまうかもしれませんがお勧めのウイスキーゆえご紹介です。


 ツインアルプス


 九州鹿児島の本坊酒造。こちらのマルスウイスキーブランドからツインアルプスをご紹介です。

 この子はマルス信州蒸溜所が位置する長野県の中央アルプスと南アルプスの名を冠するウイスキーです。ボトル上部と下部には両アルプスの稜線が描かれておりお洒落なデザインのなかに同社のこだわりが感じられます。大手以外のジャパニーズウイスキーにも頑張って欲しいなぁと想います。

  

 味わいの紹介に移りましょう。

 香りはスモーキーさはあまり感じられませんがほんのりと甘く低価格ウイスキーにありがちな刺激は感じられません。酸味主体でブトウを想わせる味わいはどこかワインを連想させます。しかし、スモーキーさもふわりと香りしっかりとウイスキーしています。


 ストレートでは酸味と甘さが初めに現れスモーキーさはふわっと香ります。アルコールのピリピリはありません。

 加水すると、甘さが強くなると共にスモーキーが前に出てきます。

 ロックでは甘さが強く出ますがいままではなかったアルコールの刺激が現れ、個人的にはイマイチでした。

 ハイボールでは苦味と酸味が同時に現れた後、甘さが感じられます。


 私のつたない紹介では前回のハディントンハウスとの違いが伝わりにくいですが世楽はこちらのツインアルプスの方が好みです。ストレートでも飲みやすく、ハディントン同様のマイナーな味わいでありつつジャパニーズの良いところ、食事のお供にもなれる強みもあることで独自性と呼べるレベルに仕上がっていると感じます。

 過去に紹介したハイニッカやあかしと比べても好みです。もっとも金額的には一番高い訳ですから、そこは一律に比較出来るものではありませんが。


 この子はあれですね。

 性格は温和な苦学生ですね。

 家庭の事情で家事やバイトをこなしつつ勉強も頑張らないといけない立場にあるんです。けれどそういう苦労や暗さは感じさせない性格であり、こなせるだけの器用さも備えている。

 放課後にバイトへと出向く前に教室でウダウダしている時間に幸せを感じるような……デキの良さに反して欲のない庶民的な印象の子です。

 周りの人とは異なる事情を抱えながらも周囲に溶け込んで暮らしているどこか達観した雰囲気が魅力的なんです。一度気になってしまうとついチラ見してしまうタイプですね。


 妄想が過ぎるぞ‼ 

 

 ここまでお勧めしてきたわけですが二千円位のウイスキーというのは難しい。

 というのも普段飲みならもう少し安くと思う人も多いでしょう。そして同時にどうせならと三千円台の有名銘柄を購入する人もいるでしょう。

 実際、安いお酒にありがちな飲み難さはないものの、有名銘柄のような余韻や複雑さもない……という中途半端な立ち位置に感じてしまうことは否定できません。

 それでも世楽にはこの味わいが斬新なのでよし、というのがツインアルプスの評価です。


 入手に関して。スーパーには置いてないです。それなりの規模の酒屋なら無問題モーマンタイ

 ジャパニーズウイスキーの終売が続く中、取扱店も着々と増えていると噂のツインアルプス。

 低価格帯のウイスキーでアタリと巡り逢えていない方はこの子を手にしてみてはいかがでしょうか?


追記:近所のファミマで200mlボトルを発見!

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