第9話~眠り姫~

 魔法陣がひときわ強く光り、その後サクラは倒れた。

「サクラ!!」

 近づいて抱き上げるとスース―と寝息を立てているのが分かった。それを確認してホッとするきっと記憶の旅に出かけたんだ。

「大丈夫なの?」

 そう言ってアスカが近付いてくる。カエデも心配そうな顔で来た。

「うん、寝てるだけみたい。」

「…そう。」

アスカはそう言って咲良の頭を撫でた。

「ゆっくり寝な。昨日眠れなかったんだから。」

 そう言って微笑むとすっと離れた。

「さて、テント張るか。その中で休ませた方がいいだろ。」

 そう言ったのはカエデだった。

「それはいいけど、もう護衛の人たちがテント張っちゃったみたいよ。」

 そう言われて見ると、すでに何個かテントが張られていた。

「マジか!早いな…。」

「そうだね。ここは甘えて中で休ませてもらおうか。」

 そう言って俺たちはテントに入った。


 夜、なんだか眠れなくて咲良の寝顔を見ていた。

 寝顔を見ているとなんだか不安になる。このまま目を覚まさないんじゃないかと思ってしまう。前世のサクラは、この封印の儀式の後、抜け殻にようになってしまった。そのことを思い出すと、怖くて仕方ない。

「サクラ…。」

 そう言って頬を撫でる。その頬は少し温かく、俺の不安をかき消してくれるような気がした。

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