第9話~眠り姫~
魔法陣がひときわ強く光り、その後サクラは倒れた。
「サクラ!!」
近づいて抱き上げるとスース―と寝息を立てているのが分かった。それを確認してホッとするきっと記憶の旅に出かけたんだ。
「大丈夫なの?」
そう言ってアスカが近付いてくる。カエデも心配そうな顔で来た。
「うん、寝てるだけみたい。」
「…そう。」
アスカはそう言って咲良の頭を撫でた。
「ゆっくり寝な。昨日眠れなかったんだから。」
そう言って微笑むとすっと離れた。
「さて、テント張るか。その中で休ませた方がいいだろ。」
そう言ったのはカエデだった。
「それはいいけど、もう護衛の人たちがテント張っちゃったみたいよ。」
そう言われて見ると、すでに何個かテントが張られていた。
「マジか!早いな…。」
「そうだね。ここは甘えて中で休ませてもらおうか。」
そう言って俺たちはテントに入った。
夜、なんだか眠れなくて咲良の寝顔を見ていた。
寝顔を見ているとなんだか不安になる。このまま目を覚まさないんじゃないかと思ってしまう。前世のサクラは、この封印の儀式の後、抜け殻にようになってしまった。そのことを思い出すと、怖くて仕方ない。
「サクラ…。」
そう言って頬を撫でる。その頬は少し温かく、俺の不安をかき消してくれるような気がした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます