第3話~嫌な予感~
サクラの部屋を出て、すぐにアスカが待ってた。
「どうしたの?」
「ちょっと、さっきの戦闘で気になったことがあって。応接室借りてるからちょっといい?」
「分かった。」
そう言って俺はアスカと応接室に行った。
「で?気になったことって何?」
「気付かなかった?」
思い当たるところはある。ただ、それだと思いたくはない。そうだとしたら、かなりまずい状態になる。
「その様子だと、直視したくない感じだね。」
「分かってるなら言わないでほしいな。」
「いや、現実を見ないとね…。」
そう言うアスカも表情は暗い。やっぱり、同じこと考えてるのか。
「カエデ、剣を振り下ろさなかったね。」
「うん。サクラに対しても、俺に対しても…。」
「そう、そこが問題なの。」
もし、カエデが武器を振り下ろさなかったのが記憶が戻っていたからだとしたら…。
「まずいよね」
「うん、まずい…。」
記憶が戻ってるんだとしたら俺たちを認識しているはずだ。それでも俺たちに敵意を向けた。それはまずい状態だった。
「でも、もしかしたら、サクラを見て思い出したのかもしれない。まだ諦めるときじゃないよ。」
「そうね。…でも、次敵対してきたら、その時は…分かってるね?」
「…うん。でも、まだサクラには、言わないであげよう?」
「そうね。…それじゃおやすみ。」
アスカ、相変わらず俺には冷たいな…。
でも、俺は信じたくない。カエデはまだ、記憶を取り戻していない。それに、俺は見たんだ。剣を振り上げた時にカエデは驚いた顔をしていた。という事はあの瞬間に思い出したんじゃないか?
そんなことを思いながら俺は部屋に戻った。少し残った報告書を終わらせて、俺は寝ることにした。
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