りれしょ

ZorA

プロローグ:偶然の二人

 入学式から数ヶ月たったある日。


「この学校かー!?」


「ここかー」


 二人の男がある都市部の学校の門の前にやって来た。


「はぁー!? お前もこの学校に来たかなんかか?」


 一人が大声をあげた。


「……ああ、はい。そうですけど」


 もう一人が小声で答えた。


「あっそ……」


 大声をあげた男はそう言うと校舎の中に入って行った。


「何だ?」


 もう一人も後を追いかけるように中に入って行った。


 二人は同時期にこの明稜学園に転校してきたのだ。一人は蘭眞シウバという名前の関西弁の男だ。もう一人は木村歳蔵という名前の標準語の男だ。


 二人が職員室に入るとある教師がいた。


「あっ、来た来た」


「へっ……」


「そうそうあなたたち二人よ! えーっと確か蘭眞シウバ君と

木村歳蔵君ね?」


 声をかけてきたのは二人の担任の先生になる切越だ。切越は

二人に近づいた。


「私が二人の担任の切越です。よろしく!」


 切越は深々と頭を下げた。


「よろしくお願いします」


「あっ、どうも……」


 二人は慌てて頭を下げ挨拶した。


「それではクラスに行きましょうか! こちらです」


 切越は歩き出した。三人は職員室を出て教室に向かって歩き出した。


「クラスは一年A組で二階の端よ!」


 切越は二人に説明した。


「二階か……。だりーなぁ」


「……」


 それからは無言で歩いていた。

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りれしょ ZorA @RiKuZorA

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