第144話

 ブルースとリズムから降りて、ダイモスとハルがハーグの運転するトラックに乗って帰ってきたのは、それから一時間後のことだった。


「……ったく、最近ビーストが増えたと思わねえか? 別にビーストは心臓さえ止まってしまえば暫くして消えて無くなっちまうからいいけどよ。それにしても増えすぎとは思わねえか?」


 ハーグ・エラミーカは煙草を加えながら早口でハルに告げた。助手席に居るハルは苦笑いをしつつその言葉に頷く。

 ハーグはダイモスたちが所属する『国家』で働く技工であった。この世界では破壊の春風以降、人間が大幅に激減してしまった。それもあってか、特に技術者の数があまりにも少なくなってしまったのだ。

 今や『技術者』というレッテルは、それだけで希少価値の高い宝石のような存在となった。それが高い技術を有しているならば、尚更だ。

 ハーグもまたその一人だった。リリーファーの兵器を造る技術者よりも、さらに貴重な技術を持った人間だった。

 彼の持つ技術は『人間の兵器を造る』ことだった。人間の兵器はリリーファーの台頭により大きく衰退した。だから人間の兵器を製造する技術は、リリーファーのそれに比べて発達しなかったのである。



 ――しかしそれは、『世界的に見た』場合の話になる。



 ハーグはリリーファー主導の世界だったにもかかわらず、いつかまた人間主導の世界がやって来るだろうと思いながら、人間の武器を造り続けた。

 だからなのかどうかは定かではないが、結果的に見れば、人間の兵器を精密かつ精巧に造り上げるのは、この世界では彼しか居ない……そう断言出来る程の力量を持った男だった。


「それにしても、なんでここまで急にビーストが増えているんだか……。まったくもって理解出来ねえな」


 ハーグはハンドルに手をかけつつそう言った。


「ビーストが発生したのは五年前……確かそんな話を聞いたことがある。『破壊の春風』によって変貌を遂げた環境が影響を及ぼした……と聞いている」

「正確にはそう習った、の間違いだけれどね。そういう大人ぶるところとか、子供だよね」

「ハル、それはお前だって言えないだろ!? 子供ってことには変わらないじゃんか!」


 ダイモスとハルの会話こそ、いわゆる『子供の会話』だと言うことに気が付いていない。自覚出来ていないのも子供たる所以……とでも言えばいいだろうか。


「……まぁ、確かにビーストが増え続けているのは事実だ」


 ハーグのぽつりと呟いた、その一言を聞いて二人とも耳を|欹(そはだ)てた。


「ハーグさん、それってつまりどういうこと?」

「言葉の通り……だよ。ここ一ヶ月でビーストの量が明らかに増加している。何故増えているのか……その原因ははっきり解っていない。だからこそ怖いんだよ。俺たちの知らない範疇でビーストがわんさか増えている。異常で奇妙なことだと思うし、この問題は早々に解決せにゃならんだろうとリーダーも仰っている」

「それじゃ、私たちも実戦に投入を……」

「ダメだ」


 彼女たちの願いはハーグによってあっさりと下げられた。

 それを聞いて愕然とした表情なのは、何もハルだけではない。ダイモスだってそうだったのだ。


「何故ダメなのか、理由は先程の戦いを経験したお前たちなら解ることだろうよ」


 続けて、ハーグは言った。

 小さく舌打ちしてダイモスは答える。


「さっきの戦いが不甲斐ない……そう言いたいのかよ! もしそれが原因なら、『次』こそは……!」

「次なんて無い!」


 ハーグは激昂した。ダイモスとハルはハーグが激昂した姿をあまり目の当たりにしたことは無かった。だからこそ、驚いているのだ。


「実戦には『次』なんて無いんだよ! 確かに今回は不甲斐ないミスを犯しても、そのミスを取り戻すことが出来た。だがそれは君たちが二人で行動したから、ダイモスがそれに気付けたからだ! もしダイモスがそれに気付くことが出来なかったとしたら? もし君たちが片方しか出動していなかったとしたら? ミスを取り戻すことはおろか、命すら落としかねないんだぞ!」

「……解ったよ。確かに悪かった。実戦に次なんて無い。それは母さんが何度も教えてくれたはずなのにな……」


 ダイモスとハルは若干俯きながら、トラックから降りた。


「ダイモスくーんっ!」


 その時だった。とぼとぼと、いかにも情けない感じで歩いていた彼の元に一人の少女が走ってきた。

 少女は作業着を着て、スパナを胸元のポケットに入れていた。しかしその作業着ではたわわな胸が収納しきれないらしく、ボタンは第三ボタンまで開けられていた。

 少女はダイモスに抱きつくと胸にダイモスの顔を押し付けるような態勢を取った。


「今日の任務も大変だったねぇー! 聞いた話によれば、またビーストが出たんだって? なかなか起動従士も増えないっていうのに大変だよね!」


 ダイモスは顔を紅潮させながら、何とかその状況から脱しようとしていた。

 対するハルは少女の胸と自分の胸とを比較していた。彼女が自分の肌に沿って撫でていくと、なだらかな山こそあるものの、少女程では無かった。


「どうしたの、妹さん?」


 それを見ていた少女はニヤニヤしながらハルの姿を見ていた。わざとハルに自らのたわわな胸を見せつけているのだ。

 それを知っているからこそ、彼女は苛立ちを隠せない。


「いいえ? 何でもございませんよ。ただ、私も頑張ったのにこの扱いの差はどうなのかなーと思っただけですよ?」

「あーら、すいませんね? ただ私はダイモスくんに対して疲れを癒して欲しかったがためにこの行動をしているだけなのよ。きっとあなたがやられても喜ばないでしょう? でも私はこれしか出来ないからね。これをするか何もしないかだったらこれをするしか無いじゃない?」

「何言っているんだ。本業があるじゃない、メカニックの仕事が。それもしないでただ慰労の為にいるとか、メカニックの名が廃るわよ。別の職業に転職したら?」


 気付けば二人を取り囲む冷たいオーラが流れていた。あまりの冷たさに凍えてしまう程だった。

 とっくに解放されていたダイモスだったが、この原因を作り出したのはある意味自分であるということを解っていても、止めようとする意志が今の彼には無かった。


「おいおい、二人ともどうしたんだ?」


 歩いてくる一人の存在にいち早く気付いたのはダイモスだった。無意識のうちに救いを求めていたのかもしれない。

 歩いてきたのは飴を舐めている男だった。黒髪の中に金のブリーチを施している。見るからに厳つい男だった。


「ヴィエンスさん! ……ちょっといいですか」

「また痴話喧嘩か? 実の兄妹なんだから、それくらいきちんと整理しておけよ。お前たちのコンディションが悪くなるとお前たち以外の協力者も害を被るかもしれないからな」


 ヴィエンスに助けを求めたが、しかし彼の反応は冷たいものだった。


「……だが、この状況が長く続くのもあまりいいものではないのもまた事実」


 ヴィエンスは呟くとハルと少女の前に立って二人の頭を小突いた。

 即座に二人は頭を抱える。やはり、それなりに痛かったのだろう。


「……長々と喧嘩をしている暇があるのか?」

「あり……ません」


 渋々と二人は頷く。


「ならお前たち、何をすべきか解っているんだろうな?」

「は、はいっ!」


 少女は走ってドックの方へと去っていった。


「まぁ……ざっとこんなものかな」


 ヴィエンスは手を叩いて言った。

 それを見たダイモスは頭を下げる。


「あの……。ありがとうございました!」

「これくらい朝飯前だ。国家の治安くらい守れないと『あいつ』を救うことなんて出来やしないからな……。あいつはまだ冷たい石の中で一人きりだから、早く救ってやらなくちゃいけないんだよ……」


 ヴィエンスは自らの拳を握り、それを見つめる。ダイモスたちはそれがどういう意味なのか理解出来ず、きょとんとした表情を浮かべていた。

 その視線に気付いたのか、ヴィエンスは慌てて咳払いを一つ。


「……そうだ。リーダーがお前たちを呼んでいたぞ。理由は解らんが、大事な話があるらしい」

「大事な話?」


 ヴィエンスは頷く。しかしヴィエンスから聞いてもそれが何なのか解らなかった。

 とにかく聞いてみないことには始まらない――そう思った彼らはリーダーの居る部屋へと向かった。




 リーダーの部屋に向かう途中、ダイモスはある少年のことを思い出した。


「……そういえばハル、覚えているか? あの建造物で居た少年のこと」

「少年……、ああ、確か裸一貫だった少年だっけ?」

「そうだ。あの少年、どこに行ってしまったんだろうな?」


 彼が気になっていた疑問とはそれだった。

 少年は裸で遺跡となっていた建造物の一つに居た。ただそこにいただけだった。眠っていた痕跡も、暮らしていた痕跡も無い。だからこそ疑問だった。どうしてそこに暮していたのか? どうしてそこに居たのか? ということについて、気になっていたのだ。

 ハルはダイモスの問いに首を傾げる。必死に考えているのだろう。答えを直ぐに導くことなどそう容易ではない。


「それは確かに私だって気になったけれど……、でもその子消えちゃったじゃない。私たちがビーストを倒して直ぐその姿を確認しに行ったら周囲にもその姿は見られなかった。……それはあなたが一番良く知っているはずでしょう?」

「そうなんだ。そりゃ、そうなんだけれどさ……」


 ダイモスは未だ納得出来ていない様子だった。目の前から、ということでは無いものの、助けなくてはならないと思った者が姿を消していたことについて、若干ながら疑問点が残るばかりだったのだ。

 例えば、何故少年は何も着ていなかったのか? ということについて考えてみれば、それは疑問点ばかりしか浮かんで来ないのは容易なことだ。他にも、それと関連して、少年はどこからやって来たのか、そしてどこに消えてしまったのか……その二つについても疑問が残る。


「疑問は確かに多くあるけれど……現時点でそれを解決する術は無いわ。一番いいのは本人に直接聞くってのがあるけれど、そもそもその本人が居ないから問題にしているのだしね」

「それは解っている。解っているさ……」


 ダイモスとハルが歩きながら会話をしている間に、彼らはある一つの部屋へと辿り着いた。

 彼らはそれぞれ小さく溜息を吐いて、ノックした。この部屋をノックする時は、必ず三回となっている。多くても少なくても問題になる……というわけではないが、とにかくそれがここでのローカルルールであった。


「ダイモス・リッペンバー、ハル・リッペンバー、入ります」


 代表してダイモスが告げる。

 そして扉を開けて、彼らは中に入った。

 中は執務室のようになっていた。左右には本棚があり、様々な本が並べられている。本の種類も新旧まんべんなく揃っている。

 奥には机が一つ置かれていた。その机に腰掛けていた女性はダイモスたちが入ってきたのを見て、小さく微笑んだ。


「おかえりなさい、ダイモス、ハル」


 優しい声だった。暖かくなるような声だった。

 それを聞いて彼らは小さく頭を下げた。その後、女性もゆっくりと頭を下げる。


「母さん、ただいま。……だけれどそれは大袈裟だよ。別に、そんな遠くまで旅をしたわけでもないからね」

「いやいや、それは謙遜だよ。実際二人は色んなところに行っているからね。クフーレ砂漠とここは、いわゆる目と鼻の先と言われる場所に相当するのだから、心配する必要は無いのだけれど、それでも……ね」


 それを聞いてダイモスは小さく溜息を吐いた。


「母さんが心配するのも解る。……でもクフーレ砂漠には何も無かった。ただの遺跡と言ってもいいくらいに……」

「クフーレ砂漠の遺跡は元々旧時代のものだと言われている、相当古い建物だからね。フロアは相当数存在していたらしいけれど、それは残っていない。ほぼ吹き抜けになっている。それ自体は相当凄いものだったらしいよ、実際には殆ど残っていないし、意味すら理解出来ないと学者は述べている」

「ただの建築物を、あれだけの量、しかも意味など無く造った……と?」


 女性は首肯する。その言葉はダイモスたちにとって信じられなかったが、しかしそう考えれば合点がいく。

 女性の話は続く。


「今はあの建築物も価値が無いものだと見られていた。だが、かつてはまともにあの建築物の価値を考えていた。見極めようとしていた、と言ってもいいのかな。とにかくあそこには何かある……そう思った科学者が殆どだったくらいだ」

「でも、そうだとしたらあそこは今頃それなりに人気になっているはず……。何か理由でもあるから、あんなことになってしまったんじゃ……」

「そう。問題はそこだよ。あの建築物はそれ程までの規模を誇っていた。にもかかわらず、あっさりと人が居なくなってしまった。その原因は、今となってはまったくの謎となってしまったがね」


 女性はそこまで言うと、机にあるガラス瓶を取り出した。ガラス瓶には白濁色の錠剤が充填されていた。

 それを見てダイモスは察する。


「もう、今日の『時間』ですか」

「……まぁ、仕方無いことなのよ。自分では乗りきったつもりでも、精神の奥底では未だそれが生き続けている。そしてそれは、恐らく一生向き合っていかねばならないもの……」


 彼女はそう小さく呟いた。

 彼女は心的外傷を患っていた。彼女はそれを『治った』などと思い込んでいる。

 心的外傷はそう簡単にその傷が癒えることは無い。大抵は時間をかけてゆっくりと治療していくものだからだ。

 にもかかわらず彼女は、彼女が背負っている使命たるものが重石となっていたのだ。

 それが重石になっていたことは彼女自身も理解していたことであるし、他の人間も理解していた。そしてその問題は彼女が死ぬまで一生向き合わなくてはならないということも理解していた。そうせざるを得なかったのだ。


「私はほんとに申し訳ない気持ちばかりなんだけどね……。でも、人が少ないし、私だけじゃなく、色んな人が同じように苦しみながらも、懸命に生きている。私だけが治療とかで休んじゃ悪いもの。どうせ死ぬなら、戦って死んだ方がいい」

「母さん。死ぬなら、とかそんなことは言わないでくれよ。そんなことが無いようにメリアさんや医療チームの人たちがそういった薬とかで、何とか症状を和らげようとしているんだから。病は気から……どこかの古い言葉でそんな言葉があるよ。まさにその通りなんじゃないかな、気を強く持たなきゃ、どんな病気にだって耐えられない」

「……ありがとう、ダイモス、ハル。私はあなたたちのような子供が居て……ほんとうに幸せ」


 女性は涙を流しそうになったが、それを既のところで耐え、そう言った。

 途切れ途切れの言葉だったが、涙を堪える現状にある彼女が言える、精一杯の感謝だった。


「それじゃ、失礼します」


 そして二人は部屋を後にした。




 誰も居なくなった部屋に女性――マーズ・リッペンバーの啜り泣く声がこだまする。

 彼女が一人で子供を産んでから、もう十年の月日が経った。彼女はもう両親を亡くしてしまったから、今はもう肉親がいない彼女にとって、この歳まで二人の子を育てるというのは、とても大変な苦労だったろう。

 『彼』を失ってから――彼女の心もまた、ダメージを受けた。

 そのダメージはそれを受けた人間でなければ解らない程、計り知れないものだった。

 とはいえ彼女はそれで諦めるわけにはいかなかった。寧ろ『諦めてたまるか』という思いが彼女の心を支配していた。

 それでは不味い――そう思ったのは彼女の親友であり、現在はヘルスケアからリリーファーの仕事までをこなすワーカーホリック、メリア・ヴェンダーだった。メリアはこのままだとマーズの精神が復讐に支配されてしまう。復讐に支配されてしまっては、その後に何が起こるのか解ったものではない。復讐する相手を間違った場合、それは人間ではなく『兵器』になる。それは誰も望んでいない。望みたくないことだ。だからこそメリアは薬を調合した。それによってマーズが暴走することが無くなった。

 だから彼女はこの薬を飲み続けている。彼女が他の周りの人間に悲しみを与えないように。

 そしてこの薬は一度飲めばその効力も弱まっていく。即ち、徐々に効き目の強い薬にしていかねばならない。挙句、薬というのは効力が強くなればなるほどその副作用も強くなっていく。

 今彼女は普通に立っているが、それも数分が限界。歩くには補助が必要な程、筋力が衰えていた。

 だが、それと同時にリリーファーの操縦の腕も衰えていった……というわけではない。筋力が衰え、自分では歩くことすら覚束無いというのに、リリーファーの操縦の腕だけは衰えること無かった。寧ろ、十年前に比べ向上したともいえる。これはメリアも有り得ないことだと驚愕する程だった。

 それも凡て、『彼』を救うため。彼の笑顔を見るために、彼女は決して希望を捨てたりなどしない。

 だからこそ彼女はこの十年間頑張って来られたに違いない。彼女は彼女なりに十年間頑張ってきたのだった。


「タカト……」


 彼女はその名前を呟く。

 タカト・オーノ。

 彼女が愛した少年で、今は消息不明と『言われている』。

 タカトは生きている。それを確信へと変化させたのは、コロシアム跡地――十年前の災厄があった現場でのことだった。

 かつてインフィニティと呼ばれていたリリーファーは、行動を停止していた。そして、その内部から生命反応を確認したのだ。

 タカト・オーノは生きている。

 その事実は彼女に一つの規模を与えることとなった。

 しかし、それと同時に彼女は決断に迫られなくてはならなかった。

 結果的に十年前の災厄を起こしたのはインフィニティ――即ちそれに乗り込んでいるタカト・オーノだ。そしてマーズたちの組織には十年前の災厄により、家族や大切な人を失った人間が数多く居る。

 彼らにとって、タカト・オーノはその怨みの原因であるといえる。

 むやみやたらに彼らと接触させたが最後、タカトは死んでしまうかもしれない。それはどうにか回避したかった。

 ならば、どうすればいいのか。


「私はタカトに会いたい。タカトを助けたい。……けれどそれは許されないのよね……。このまま、幾ら何でも彼らに十年前を無かったことにしてくれ、なんて言えないし」


 彼女の心は狭間で揺れ動いていた。

 タカトの扱いをどうするかで、彼女だけでなく、この国全体をも揺るがす事態になりかねないのだ。

 彼女たちの国、ハリー=ティパモール共和国は十年前、ハリー騎士団と彼らに賛同する有志によって建国された新しい国家である。その国家はマーズ・リッペンバーを元首としており、実質の王制となっている。

 彼女がそうしたのでは無い。有志の方々がそのようにしていいと告げたのだ。

 もしタカトを救い、彼をそのままにしておこうとするものなら、彼だけではなく、マーズたちも処罰される可能性があった。


「考えなさい、マーズ・リッペンバー。何かいいアイデアを、あなたは持っているはずよ……!」


 一人で彼女は考える。それはほかの人間に責任が分散させないようにした、彼女なりの優しさだった。ほかの人間にこれについて意見を訊ねれば、その人間も責任を問われかねない。ほかの人間――況してや、長年味方としてきた人間ばかりである――を傷つけることは、彼女には出来なかった。

 最終的に彼女は、一つの結論を導いた。『タカト・オーノ救出作戦』その第一段階を――。

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