第10話 倭国王の誕生
第9話の「高天原はどこか?」で、
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1世紀中葉成立、江南人(後漢時代の会稽郡生まれ)
「周の時、天下太平にして、倭人来りて
「成王の時、
「周の時は天下太平、越裳は白雉を献じ、倭人は暢草を貢ず。白雉を食し
また、「論衡」で「
「
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1世紀後半成立、
「漢書」地理誌・
「漢書」地理誌・
BC1世紀ごろの倭人社会は百余国の集落から構成され、その中には楽浪郡に朝貢していた国も存在した。この時期に朝貢したクニは、北部九州の
また、
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5世紀前半成立、南朝
「後漢書」東夷伝に、「建武中元二年(57年)、委奴国、貢ぎを奉げて朝賀す、使人は自ら大夫と称う、倭国の極南界なり。光武は賜うに印綬を以ってす。」とある。
建武中元二年(57年)に後漢の光武帝は委奴国王に金印を与えた。この時は漢王朝が復活(25年)し、
倭王が文献上で初めて登場するのは、漢委奴国王が後漢の光武帝から印綬(蛇
後漢から下賜されたと思われる鉄製の
・「後漢書」東夷伝に、「安帝永初元年(107年)、倭国王
・唐の
ここに登場するのは、その50年後の後漢安帝永初元年(107年)に後漢に朝貢した倭国王
・魏志倭人伝に、「其の国、本亦(元来は)男子を以って王と為し、
倭国乱は後漢の
・「後漢書」
・「
この記述を文字通り解釈すれば、朝鮮三韓(馬韓・辰韓・弁韓)の時代(紀元~3世紀)における倭は、朝鮮半島南岸地域から対馬・壱岐を経て北部九州沿岸地域にかけての沿岸に小島が点在する多島海地方であったと考えられる。また、今の一年を二年と数えていたようだ。
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3世紀中頃に成立、
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三国志とほぼ同時期の3世紀に成立、
魏志・魏略そして後漢書には、三韓(馬韓・辰韓・弁韓)の時代(紀元~3世紀)に、朝鮮半島南部には
・「魏志弁辰伝」には、「辰王は馬韓の
・「魏志」の原典である「魏略」には、「辰王はその流移の人たることを明らかにす、ゆえに馬韓のために制せらる」とある。
・「魏志韓伝」には、「辰王は
・「後漢書韓伝」には、「三韓は皆
「後漢書韓伝」でいう弁辰は弁韓と同じである。馬韓は後の百済で54国、辰韓は後の新羅で12国、弁韓は12国でその南の倭とともに後の
江上波夫と親しく、東アジア史に詳しい元明治大学教授(独文学)の鈴木武樹は、
“百済最後の王・
すなわち、馬韓成立前のBC1世紀、漢が支配する今の
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田中俊明(滋賀県立大学教授)によれば、「三国史記」では主に加耶と記しているが、伽耶・加良・伽落・駕洛という表記もある。「三国遺事」は主に伽耶であるが、呵囉・駕洛という表記もある。さらに「日本書紀」では、主に加羅であるが、柯羅とも記す。「梁書」には伽羅、「隋書」には迦羅、「続日本紀」には賀羅という表記もある。これらは皆、同じ語の異表記である。加耶(ka-ya)は(ka-ra)のr音が転化したもので、朝鮮語ではよくある現象である。本来は加羅(ka-ra)であると考えるべきであろうが、その意味は分かっていない。
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高句麗の広開土王碑には400年のこととして「任那加羅」と記されている。それは任那という加羅である。つまり、任那国を指している。任那国とは金官国の別名である。
百済か加耶(加羅)のどちらが辰王朝の宗家であったのか?「任那」は古代朝鮮語で「王の土地、王の国」の意味であることから、宗家は加耶(加羅)であったと推測できる。したがって、5世紀の倭の五王が中国南朝の
支石墓とは、巨石を積んだ墳墓形式のことである。BC15世紀ごろに
古代の朝鮮半島諸国と倭および日本列島の倭人にとって最も重要な出来事は、漢の武帝による漢四郡、
・BC109年から翌年にかけて漢の武帝は朝鮮を攻撃し、BC108年に朝鮮北部に漢四郡、楽浪(今の
・189年、
・「魏志弁辰伝」には「国、鉄を出す。
ここで重要なのは、「韓と倭は帯方郡に属した」とあることであり、その時の倭国は卑弥呼の女王国の時代である。このことを念頭に置いて魏志倭人伝を読めば、おのずと真実がみえてくる。
ここまでは、57年に後漢の光武帝から金印を賜った漢委奴国王と、107年に後漢に朝貢した倭国王帥升以外は、朝鮮半島の「倭」そして「辰王」に関する出来事である。ここからは日本列島の「倭人」「倭国」についての記事をみてみる。ここで、いよいよ「魏志倭人伝」の登場となる。
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