2-3 生徒会には気をつけろっ!
「体育館で、バンドの演奏に合わせて委員長がヘドバン。他の生徒も集めてライブにするんだ」
晴樹の作戦に、委員長は恥ずかしそうに顔を赤らめた。大勢の前でヘドバンを披露することになるのだから無理はない。
「私、ちゃんとできるかな……」
委員長は真っ赤な顔のまま、心配そうに視線を下げる。その様子を見かねた晴樹が彼女を励ました。
「大丈夫、ちゃんとサポートするさ。やってみよう。悩みは全部解決するはずだ」
「がっ、頑張ります」
委員長の決意に晴樹は満足そうに微笑んだ。
「先輩、体育館の使用許可は取らなくていいんですか?」
癒月は疑問点を質問した。
「生徒会にだろ? 無理無理、聞いてすらもらえない。だから無許可でやるんだ。それにあいつらに知られて邪魔されたらたまったもんじゃない」
晴樹は生徒会に対して敵意をむき出しにしている。微笑みは眉間にしわの寄った険しい表情に変わった。
「……生徒会と仲が悪いんですか?」
委員長は小声で癒月に尋ねる。
「ええ、すんごく悪いです。正しく言うなら会長と。先輩が喧嘩を吹っ掛けたようなものなんですけどね」
二人の間に何があったのだろう。委員長は気になったものの、それ以上何も言わなかった。
実行日をいつにするか話し合い、三日後に決定した。時間は放課後の午後四時。その日は、生徒会は地域のごみ拾いで不在。先生たちは会議室で会議があると職員室前のホワイトボードに書かれていた。
体育館を使用する部活はバリバリと取り組んでいないところばかりでその日は偶然、どこの部も休みらしい。
「それじゃ、帰りのホームルームが終わり次第ここの教室に集合だっ!」
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