最後の一人
勝利だギューちゃん
第1話
自然体でいるのは、難しいこと。
意識的にしろ、無意識的にしろ、
世間の眼を気にしてしまう。
そして、自分をいつわり、長い物に巻かれていく。
それが、安全だからだ。
だが僕は、そんなに器用ではない。
なので、どうしても他人とぶつかる。
世間からうとまれ、白い目でみられる。
そしていつしか、誰もいなくなった・・・
僕の周りには、そう、誰も・・・
そのために、山奥で隠遁生活をすることになる。
それが最善策だし、他に思いつかない。
元々、仕事を引退すれば、自然の中で暮らそうと思っていた。
それが、早まっただけだ。
誰も、僕のことなど気にしない。
遊びの対象としてしか、見ていない。
僕は、人ではないのだ。
家を立てる財力はない。
なので、テントと寝袋を買い、まず住は確保できた。
次に食だが、これは自給自足でどうにかなるだろう。
トイレは、まあその辺ですればいい。
問題は衣だが、これはいくつか、用意した。
選択して、交互に着ればいいだろう。
テレビやラジオなどの、情報が入ってくるものは、一切持ち込まなかった。
使えない事もあるが、シャットアウトしたかった。
最初は、苦労すると思っていたが、これが意外と楽しい。
心のリフレッシュになる。
やはり、人間は本来自然の中で、生きるべきなのだ。
ここへ来て、心身ともに健康になった思う。
いつしか、世間の事など、気にならなくなった。
人と会えないのは、寂しいと言うが、その分動物や鳥たちがいる。
なので、全然寂しくない。
下界は今、どうなっているだろう・・・
まあ、僕には関係ない。
好き勝手にやってくれ・・・
だがこの時の僕は知らなかった。
この星で、人間はすでに、僕ひとりになっていたことを・・・
人類は、既に絶滅していたのだ。
最後の一人 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu
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