蘇る記憶

確かに僕は会ってたんだ。渚さんと楓ちゃんに。


「お兄さん心当たりあるみたいですね?」


こうかが僕にそう問いかける。


「うん、、、確かに会ってた。僕が陸上を始めた最初の頃に。」


こうかは、少し悩んだ表情をし


「ししょーは、どんな人でしたか?」


僕は感じた印象そのままを話す


「そうだね、、、騒がしい人かな?けど、しっかりと僕の事を見てくれてた。」


「そうなんですか、、、そんなししょーも見てみたかったなー」


こうかは、何故か悲しそうな顔でそう言った。


「ありがとうございます!少しですが話が聞けてよかったです!」


しかしすぐにいつものこうかに戻る。


「では、そろそろ行きましょうかししょーの所へ!」


「そうだね、そろそろいい時間だし」


僕たちはそういい一緒に競技場へと足を運ぶ。


すると、少し前に1人の女性がポツンと立っていた。


そして、こうかはいち早く反応し、その女性へ駆け寄った。


「ししょー!ここまでいらしてたんですね!ちょうど今から向かう所でしたよ!」


こうかの言葉を聞き女性は少し笑みを浮かべながら


「私も心配になって来ちゃった。無事見つけられたみたいねー」


そう言いながら女性はこうかの髪をわしゃわしゃと撫でる。


「久しぶりね秀太くん。立派になっちゃって!私の見立てどうりになったわねー。まずは日本一おめでとう!そして、楓に走りを教える件覚えてたかな?」


そう僕に語りかける女性は、楓ちゃんの母新井渚本人だった。


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