謎の少女
僕は、帰りのホームルーム後直ぐ、校門を出て青葉陸上競技場へと足を進めていたが少し足を止める。
「少し約束の時間まで余裕があるなぁー」
伊藤さんから貰ったメモには、競技場へは6:00には来るようにとあった。現在の時間は4:30。今から向かっても一時間程待つ事になってしまうので、50分弱時間をつぶしたい。
となると、どうしようか…
「あっ、久しぶりにあそこにいってみようかな。」
そうして僕は、目的の場所へと足を進めた。
「おー。ラッキーだれもいないじゃん!」
周りを見渡す限り人は1人もいない。
今いるのは、青葉陸上競技場へと続く道の途中にある、緑園公園。僕が自主練をする時なんかによく利用していた公園だ。
この公園の特色として直線の道が多い事が挙げられる。
そして、何故僕がこの緑園公園で走ろうかと思ったのかと言うと、走る事によって少しでも気持ちをリラックスさせておきたいからであった。
僕がこの後会う人物は、楓ちゃんのお母さんでもあり、日本短距離女子のレジェンドである、新井渚さんだ。そんな偉大な方に会うのだから緊張するに決まっている。ましてや、あって話す内容は、僕や楓ちゃんの今後の陸上人生を大きく左右するものになるだろうと思う。それを冷静に受け止めら為にも、今のうちにリラックスしとかないといけないと思いここに来た次第である。
「よしっ少し走るか!」
軽いストレッチをした後、僕は目測150メートルはある直線を流しで走り出す。やはり誰もいない公園の直線を走るのは凄く開放的で気持ちがいい。
陸上始めたての頃は、ここでよく練習したなぁーと流しながら考えていると、少し奥のベンチでじっと僕のことを見つめる少女がいた。年齢は楓ちゃんと一緒くらいだろうか?ショートヘアーの顔の整った子だなぁーといった印象だ。
ただ一つ気になるのは、その子はチャイナドレスを着た凄く目立つ子だということだろうか。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます