波乱の朝
雪乃は呆れた顔しかし、何処と無く笑顔をうかべ。
「もう寝坊はだめだからね。」
「面目無い…」
僕は、申し訳なさそうに言った。
約40分程前のこと
僕は、雪乃の言葉に反応し、恐る恐る視線を、リビング奥に掛けてある電子時計へと向ける。時計の針は7:50分を指していた。
「私たち7:10分に行こうって約束してたよね?なのに何でこんな時間におきてるのかな?」
いつもとは違う少し狂気を感じる笑みを浮かべた雪乃の言葉を聞き僕は全てを悟った。
やべっ!アラームの時間間違えた!!!
あれだけ意識して過ごしていたのに間違えるとは。
さて、どうやって弁解しようか…少し考えを巡らせた結果出た結論は、
「正直に話しますと、しっかり早く寝たんですけど、アラームをセットするのを忘れていました。すみませんでしたー!!」
弁解の余地なし。僕は、精一杯の誠意が伝わるように頭を下げた。
少し間が空きすぅーと息を吸い込む音がした後
「うん!許す。だけど次からは気をつけてよね〜。」
すっと顔を上げるとそこには、いつもの太陽の様な笑顔を浮かべた雪乃と千尋が、、、
「あれ?千尋は?」
すると雪乃が
「千尋ちゃんなら秀太が言い訳を考えてる間にもう学校にいっちゃったよ?」
「え、気づかなかった。」
てか言い訳考えてるのバレてた。
「それよりいいの?時間。」
そう言って雪乃は、テレビの上へ掛けてある丸時計を指差す。
時計の針は、8:05分を指していた。
「………まずい。」
「仕方ないなぁー。待っててあげるからはやく!」
「だけどもう時間が、、、」
遅刻すると確信した僕が、行っててと言いかけたところをさえぎるように雪乃が、
「秀太は、私の性格は分かってるよね?私一度決めた事は絶対に破らないで貫き通すから。」
そう、昔から雪乃そうだった。きっとこの性格だったからこそ陸上でも結果が出ているのだと思う。
「ごめん雪乃!直ぐに準備する!」
その後僕は、久々に雪乃と走るという事に心を躍らせながら勿論全速力で学校へ向かった。
四時間目の授業が終わり、食堂へ向かおうとすると雪乃に呼び止めらる
「ねぇ秀太今日の放課後って時間ある?良かったら付き合ってほしんだけど。」
「ごめん!今日放課後用事があって、、、」
するとイタズラっぽく
「え〜今日、あれだけ待たされたんだけどなぁ〜」
「うぅ〜それは」
しかし、僕の反応を見て満足したのか
「冗談だよ!だけど今度は付き合ってよねぇ〜」
「本当ごめん。明日以降なら大丈夫だからいつでもよんで!」
僕は、そう言い残し食堂へと駆けていった。
そうしていつもと変わらない?時間が過ぎて行き、とうとう帰りのホームルームになった。
先生からの連絡事項は特になく、この時期特有の「自宅学習を頑張るように」という言葉で締めくくられた。
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