第17話ギロチンの刃
的中しなくてもいい予感は当たる。
宿屋の泊まり客は騎士達のいざこざに巻き込まれたくない。
誰だってそうであろうが。
「あんたもしかして騎士の中の一人? だったらいい迷惑よ」
なんだっとと思いその声がした方に顔を向けるとおばさんが顔を背けた。
「あんた達の素顔を見ると不幸になるわ」
それを聞いた宿主は髭を逆立て真っ青になった。
「それじゃぁ手続きの時に俺はこいつの顔を見た!!」
出ていってくれっと大声で宿から追い出された俺達は東の空が明るくなってきた草原をテクテク歩いている。
「いいんだぜ、ついてこなくても」
荷物をまとめて奥様がスーパーの袋を持つようにしているピーツーとセイントスノーの二人に言い聞かせた。
三人はにっこり笑った。
「俺はあなた達にお世話になったからどんな時でもついて行きまさぁ」
優しい奴らだ、泣かせます。
「でも驚きましたね、エレメンツナイトは四人いたんですね」
ピーツー達が俺の顔を覗きこんだ。
いやそれは……。
俺がハッタリを決めたのと風の騎士が勝手にそうした事を伝えようとしたら風の騎士にぐっと口を押さえ込まれた。
「ねぇねぇ、みんなそろそろ街が見えてきたわよ」
話題を変えようとしたのか実際にそこに城壁に囲まれた街が見えてきたのか風の騎士がウキウキしながら声をあげた。
まぁ、ここなら人もたくさんいるだろうしまさかこの巨乳お姉ちゃんが風の騎士だと誰も知るよしはない。
お菓子の城みたいな粉砂糖がふりかけられている白い屋根が聳え立つお城、城下町はキノコのようににょきにょきと可愛いお家が並んでいた。
その家には小さな鉢植えに入った色とりどりのお花が窓に吊るしてあったり入り口のちょっと空いたスペースに飾られている。
絵本の中から飛び出したようなメルヘンチックなお城と街だ。
その城下町に簡単に入る事ができた、夜以外なら旅人でも入れるらしい。
それになんだかお祭りがあるらしい。みんなガヤガヤ騒いで風の騎士がいっぱいナンパされた。
小さな男の子と女の子が興奮した様子で俺達の横を通りすぎる。
すると子供達の話しが聞き取る事ができた。
「広場であるらしいぜ、行ってみよう」
広場にある? いったい何の事であろうかと首をひねった。
何か大道芸などがあるのではないかとセイントスノーの二人が同時に言ったので俺は芸人を見る素質があるので売れるか売れないか見てやろうとみんなで広場に行く事となった、大通りをテクテクピーピー歌いながら歩いて行くと広場に到着した。
向こうに遠近法によって薄い青色の幕がはったようなお城がなんとも美しい。
だが広場の中央に置かれた物騒な物を見て思わず絶句した。
歴史の教科書の挿し絵などで見たことある、細長い板にかまぼこのような穴が空いているその上には荒い縄一本で繋がれた斜めに切り込まれている大きな刃が血を吸いたそうに朝日を照らしていた。
それはギロチンという処刑器具である事に間違いはない。
さらに驚いたのは両腕を後ろ手に縄で縛られている男あのマッチョで俺のスマホをデスポートと勘違いして持っていったのぶおであった。
その隣にはウサミミチビットのチーが恐怖で長い耳まで震わせて同じく、両腕を縛られ立っていた。
先が尖っている覆面を被った大男がのしりのしりとその男に似合う大きな斧を持ってやってくると広場の歓声が地響きのように鳴り渡った。
処刑台に立っていた細長い男がひげをいじりながら高い声で演説を始める。
「この男とチビットのメスは偽のデスポートによりたくさんの殺人を行ってきた、ゆゆしき事態でありこのような殺人鬼にはギロチンによって処刑され、楽園には行けないようにするのが妥当であると裁判で判決された。よってここにこの一人と一匹の公開処刑を行う」
男はこほんと乾いた咳をはっしていた。群衆が殺せ殺せと喚く。
「なお、処刑人および関係者見学の者は皆火の
うおおおおおっと大声が大砲をぶっぱなしたようにこだまする。
その間にのぶおは抵抗するものの首を固定する場所に納められ一瞬の出来事彼の首は大きなギロチンによって……。
彼は殺人を犯した。
しかし人が人を裁いて殺してもいいって事?
もっと償わせる事とかあると思う。
あいつに殺された人の家族はどうなるの?
しかし考えて吐き気がしそになったが次はチーの番だった。
「チーは何もやってないと思う俺を助けてくれた」
風の騎士の方を睨む。
「あのチビットを助けたい」
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