第15話謎の影
ここにずっといるわけにはいかない俺は、ガラハットに尋ねてみた。
「俺がいた世界に帰りたいのだがどうすればいいのだ?」
ガラハットは俺がいきなりキングギドラの小さい版お世辞にも可愛いと言えないドラットを飼いたいと発言したようにびっくりして二度見ならぬ三度見をした。
「ラン君。おねぇちゃんのお家で一緒に暮らすのよ、おねぇちゃんラン君のためなら
彼女は天使スマイルで唐揚げがふやけても俺がレモンをかけてもいいよ。
というノリで答える。
そういうノリで言う台詞ではないが。
「俺は元いた場所に帰りたいんだけどどうすればいいよ? また死ぬと戻れるかな?」
そういうとガラハットは飛び付いてでっかいお山を俺にスリスリさせてきた。
「どうちたの? 頭でもうったの? よちよち、おねぇちゃんがいるから大丈夫よ」
だぁからぁお姉ちゃんがいる俺にはお姉ちゃん萌えは無いのだ、妹萌えならあるけど。
それで思い出したけどあのチビットの女の子、元気かなぁ。
お花つみと言って(トイレ)俺は宿屋の離れた場所にある厠に向かった、なんとお便所が外にある、だがこれでべたべた引っ付いてくる風の騎士もついてこれないだろう。
外はすっかり闇のカーテンをひいたみたいに真っ暗であった。
電気がないとこんなに真っ暗なのかと思いもうそこら辺で用を足そうと決めかけたその時、何かが動いた気配がした。
気のせいかと頭をひねり社会の窓を開こうとするとガサガサと草を走りぬけるような音がして窓を開けるのをいったんやめてそっと、耳をダンボのように大きくした。ホーホーと梟がないている。しかしその他に何か物音がする、カサカサ、あれ? 二つ以上の音が近くから聞こえて反射的にそちらを交互に見回した、もしかしてまた風の騎士ガラハットでは?
それにしてはさっき部屋で話して間もないのにここまで来る事ができるであろうか?
もしかすると風を使ってここまで来て俺のマラを覗こうとする魂胆なのか?
夜の独特のにおい。色で例えるならモーブ色の澄みきったにおいが鼻をくすぐる、何もかも寝静まったこの世界に何かが蠢いている。
何かが俺の耳をかすった、カツンとそれは地面に落下した。石ころだ。
だが猛スピードで向かってきた石によって俺の耳から血がしたたり落ち地面に吸収される。
さらにビュンビュン音をならしながら石ころが飛んでくる尖った石がほとんどだ。
俺はジグザグに走りながら
叢に手を入れて服の感覚がしたので掴んで俺の方に引っ張るとフードを目深に被った人間が、かろうじて見える口から歯を剥き出して敵意を示している。
手に何かを持っているので手首をねじ伏せて見てみると旧約聖書でダビデが使ったかもしれない投石器がにぎられていた、カップのような窪みに石を設置して紐を持って勢いよく相手に石を飛ばし、時に人を殺せる事ができる道具である。
ではこいつらは俺を殺しに来たのか?
いったい何者であろう?
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