第13話その後

 「痛くない? もう大丈夫?」

 どこからともなく聞こえてきた甘ったるい声に俺は目を薄めに開けた。

 どうやらあの後気絶していたらしい。

 辺りは暗くなっていて梟なのかホーホーとうっそうとした森の中に鳴き声をこだまさせていた。

 俺はレンガで出来た壁、オオカミがふぅーって吹き飛ばせないような頑丈な家にいた。

宿屋らしい。

 窓から見える青紫の空に藍色の木々のシュルエット、その隙間からは月が顔を除かせている。

 俺はベッドの上に寝転んでいて起き上がろうとすると風の騎士であろう女性が押し倒した、ものすごい巨乳が目の前に立ちふさがる。

 鎧の下にこんな化け物が潜んでいたとは。今はフリフリ飾りがついた騎士の甲冑とはかけ離れた乙女な洋服、生地が軽そうな薄いワンピースを着ているのでその二つのお山が目立った。

ゴジラ級一番艦で間違いない。

「あのぉ、俺を助けてくれたのはありがたいのだが、俺はあなたの弟ではぁ無いぃ」

 わかもとボイスでシャルルの人間は平等ではなぁいらしく言ったが、風の騎士はにこにこ笑っている。

 コードギアスを観たことないのでは?

 「ごはん食べた方がいいよ、ほらお友達も作るの手伝ってくれたの」

 ここで初めてピーツーとセイントスノーがいるのに気づく。

 ここまで来て気遣ってくれる彼らに泣ける。

 「ごはんはおねぇちゃんが作ってあげたから食べてね」

 おねぇちゃん、おねぇちゃんって俺のおねぇちゃんは俺を虫に変身したザムザを見るような目で見てきた奴だ。

 妹がいる男に妹萌えが無いように姉がいる男に姉萌えがないのだ。もちろんアネモネも無いのだ。

 それでも彼女は俺を弟と言い張りお粥をあーんして食べさせてきた。

腹が減っていたので食べたがまた気絶しそうになった。

 おいしくはない、いやくっそ不味い。

 それでも満員電車に人を突っ込むように風の騎士はどんどんと俺の口にお粥を流しいれた。


 

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