第8話信じて
思い出せないのはしょうがない何せ細胞は1日新しく生まれ変わって俺達を構築させていくんだから。
あれ? 俺はある疑問にたどりついた。
「殺すのが怖いんなら相手も殺してこないんじゃねぇのか?」
楽園好き男がダイオウグソクムシを見るような目で俺を見た。
「相手はオールマイティーデスポートを持っている火の騎士が催す大会だぜ。知らねぇのか? それならどんな数でも
俺は電車の明け閉めのボタンを他の人に押されたような気がした。
前々から思っていた、変わっているって言う言葉。
「おいおい、なら昔に行って世界が丸いって言ったら変わってるって言われるかもしれないが今世界が平らだと言ったら変わってるって言われるじゃんか、その変わってないと普通という型はあるのかい?」
俺は歯に挟まったトウモロコシの破片が取れないような感じでいつもその事に不満を感じていた。
「世界が丸い? へっやっぱり変わってやんの」
なんだよ。変な奴。
「そうだ。もうこの際みんなでわざと殺されて楽園に行こうや、
楽園好き男の言動に皆が『そうだそうだ』と盛り上がってしまった。まるでスポーツの部活でコーチが焼き肉を奢ると宣言した時のような盛り上がり方だ。
俺も帰宅部というスポーツをやっていたが。
しかし俺は何故か皆の言う命を粗末にする言動が気に入らなかった、殺人はやってはいけないのは当たり前だがこの自殺行為に走ろうとするこいつらをなんとかしたいと思う。
なんでだろう?
俺は毘沙門天の顔に似せようと怒り狂い。
こいつらに渇をいれた。
「誰も殺さずさらに生き残る方法はある!」
中年の男がぺっと板張りの床に唾をはいた。
「そんな事できるものか。それにお前の顔カエルみたいだぜ」
こいつはボロボロの黄ばんだ色の服を着ていてそこにPみたいな染みがついていた、そして緑色の少し薄い髪をまるで禿を隠すように横に別けている。
こいつの名前はP、P《ピーツー》としよう。
「このまま戦い続けるのか?」
旗を拡げたように両手を伸ばした、俺は皆をどうにか助けようと思った。
会ったばかりの人々なのに何故かそういう気になった。
「俺はここから、この運命から逃れたい」
「たい!」
顔のよくにた――多分双子であろう――若い青紫色の髪をした男が強くはっした。
「そうだ、逃れたいなら逃れろ、恥じる事はない、俺に信じて行け、デスポートなんてそんなの神が許すはずはない、俺が別の教えを考えてやる、信じたければついてこい」
双子は力づよくうなづいた。
この二人をセイントスノーと呼ぶことに決めた。
俺を最初に信じてくれた人々だ。
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