第7話楽園
目が覚めた俺は一瞬夜かと思うほどのまっくらな所にいた。
しかも首に鉄の首輪が嵌め込まれていた。
それは何の暖かみもない。
ひんやりと冷たい感覚が俺の首全体を覆っている。
暗闇になれてくると何かがうごめいていた、まるで
この首輪はこの世界で流行っているらしい、しかもお洒落な鎖まで付いていてお洒落に疎い俺でも格好いいと思う
でもこの狭くてむせる小屋はなんだい?
よくよく立ち止まっていると小屋は移動をしている。
ガタガタと電車のように揺れているのだ。
そして他の乗客はみんな暗い顔をしている。
震えている人もいた。
なので俺はみんなに悟してあげた。
「人生に疲れてもあざなえる縄の如し悪い事の後にはいい事もあるさ」
隣にいたガリガリの男の肩を励ますようにゆっくり優しくたたいてあげると、彼は静かに俺を見上げた。
「俺たち奴隷狩りにあったんだぞ、この後剣闘士にされてみろ一環の終わりだ」
ブルブルふるえる元気なさげ男。
剣闘士ってあのローマの休日でグレゴリーペックとオードリーヘップバーンが新聞記者と女王の身分を越えて真実の口の前でバトルしたあの剣闘士だよなぁ。
「じゃぁ死ぬまで戦い続けるのかそれなら俺も検討し《剣闘士》よう」
面白いギャグを飛ばしたのに反応が無かったので聞こえて無かったと思い俺は同じギャグを飛ばした、でも無反応だった。
難しかったのかな?
「あぁもしデスポートを持ってないおら達が誰かを殺したりしたら
えっ! 死ぬのが怖いのではなく殺すのが怖いのか!
「楽園ってそんなに良い所なの?」
信じられないというような表情を浮かべた先程の楽園好き男。
「楽園はいつも食べ物に困らなくて身分の差もなく男女が結ばれたり綺麗な水がいつも流れていて勉強もできる所だぞ」
なんか俺そういう所にいたかも。
「でも悩みがあるぞそんな所でも」
言わなきゃよかった、相手が人差し指で自分の頭をくるくるまわしてまたふさぎこんでしまったからだ。
でもそういう所でも人間関係とかいろいろあるんだからな例えば……。
どうしたんだろう、何故かその場所の事が思いだせなくなってる。歳かな?
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