42.聖歌

我先に 我先に 生きようとして 存在を見誤る

草臥れた 薄っぺらな 己の価値を量り損ねる

無駄だ 無駄だ と考えるあまり 姿を失う

消えかけた どっちつかずの 己の形を抱き竦める


道はまっすぐに 彼方へと 果てへと

答えは いつもそこに もはやどこにも


雲よ 雲よ その流れ着く先には 何が待つ?

差す光も 垂れ籠める闇も 行く手の妨げとはならない

女よ 男よ 相対するその時には 何を持つ?

赤茶けた銃口では 赤黒い切っ先では 命を脅かせはしない


物語の続きは 星を鏤め 運河を渡るところから

終わりは 窓を閉め 眠りに就くところまで

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