35.生ける屍
差し出せるものならみな差し出そう
いかにそれらが大事でも 両手両足を失うよりはましだろう
いくらそれらを大切にしていても 両目両耳を失うよりかはいいはずだ
でもそれは生きてゆこうとするのであればの話
光ひとつ見えないこの世界でいったい何を糧に生きようというのか
両手両足を失ってでも 手放せない大事なものがあるはずでは?
両目両耳を失ってでも もう二度と見つけられないそれを大切にしたいのでは?
暗闇の向こうに待つ何かは 命を欲している 心を欲している
人ならざる者の願いは 人になることではない 人にだけはならぬことだ
両手も両足も差し出そう 大事なものに代わりはないのだから・・・
大切なものを譲れはしないのだから 差し出そう両目も両耳も・・・
光ひとつ見えないこの世界で生きようとする者よ どこへ行こうというのだ
命を手にしても 心を持とうとも 人になってしまってはお仕舞いではないか
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます