32.出会い

今日いまあなたのことを想う

初めて会った時には考えもしなかったあなたの最期を

その資格は私にはないのだろうけど

その時その場に居られたらなどとそんな馬鹿なことまで考えてしまう


あなたとは偶然に出会っただけ

だから別れなど惜しくはないはずなのに

だからこそ何度となく別れも言って来られたというのに・・・

今日いま死を目の当たりにしてしまった私の胸にはその偶然が痛切に響き

どうしようもなくまた同じ思いに囚われてしまうのだ


あなたとの出会いが偶然でなければ何か違っただろうか

せっかくの出会いを大切に出来ただろうか

別れなど一度も言わずに済んだだろうか

あなたとの出会いが運命だったなら良かったのだろうか――・・・


今日またあなたのことを想う

あなたが居なくなって再会の叶わなくなった後の世を

そんな日はいつか当然のようにやってくるけど

そんな世には居たくないと馬鹿な私はそう考えてしまう

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