第3話

商店街にいるあたいだけど、100万円を持っているっていうことはかなりの強み。これが本当にあたいの金だったら……って話だけど。だけどあたいはまだ警察には行きたいとは思わなかった。それは何故かって? それは分からない。でも何だかまだまだって気がするのよね。心の中で。自分の精神がまだひ弱だって感じているからもっと強くならなくちゃって思っているのよ。だから記憶喪失だからってすぐに警察に頼ろうとは思わなかった。だからこの金を手に、ビックマネーを手に成り上がろうとか思っているの。よし、成り上がる為の第一歩。それは勇気を出して、偽札かもしれないという不安をぬぐって、一歩踏み出してあのお店でおでんの大根を買うことよっ!あたいは25メートルぐらい先の道路右側にある赤いビニール色の素材の屋根に*おでん*と書かれたお店へと歩をホホホと笑いながら進めた。これは高度なギャグだ。

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