第1話
「決めた。私、軽音楽部に入る」
高校に入学して2日目。
私は幼稚園からの幼なじみの片桐 美結(かたぎり みゆう)にそう宣言していた。(因みに同じクラスになった)
「...まじ?」
勿論美結は驚きを隠せないようで。
「え、軽音入ってなにすんの」
「私ピアノ弾いてるからキーボードとして入る!」
「えぇ...でもまだ入学して2日だしこれから色んな部活体験出来るのに軽音一択なわけ?」
そう心配そうに聞いてきた。
「もちろん!」
今日から1週間部活動体験の時期で
この1週間でどの部活に入るか決められるらしい。そして、来週入部届けを提出なんだとか。
でも私はこの1週間の体験は全部
軽音楽部に行く。
「そりゃ確かにさっきの集会での軽音楽部ヤバかったけどさぁ」
そう、さっきの1·2時限目に部活動紹介の集会が開かれていた。
そこでみた軽音楽部の紹介にとても
魅了された。
体育館にいた全ての人を惹き付ける
演奏。説明によると3年生の代表バンドが演奏していたらしく、他の軽音楽部員は踊ったり、MCをしたりしていた。
私は亡くなった母親がピアニストだった影響でピアノをずっと弾いてたこともあってなにかしら音楽には関わっていたのだけれど、クラシックばかり聴いてたから軽音とは無縁だった。
けどあの紹介で一気に私の音楽観を一瞬で塗り替えられたんだ。
こんな素晴らしい曲もあるんだなって。
演奏してる人達も、演奏を聴いてる観客(生徒や先生)も皆楽しそうで、 それでいて技術も高くて。
いつまでもこの空間に居たいと思える程に魅了された。
だから私もこんな風に人を惹き付けるような演奏をしたいと思った。
この軽音楽部で。
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