2019年4月6日

「今日は卵を養育するゲームをするで!」


 双子のボイスロイドが卵を養育するゲームをしていた。

 舞台はぼくの母の実家で、2階の部屋を使って卵を育てるのだが、エネミーとして掃除機が現れて妨害してくる。


「おねえちゃ、ああああああ!」

「あっ、葵、葵いいいいいい!」


 妹はあっという間に紙束の詰まった段ボールごと掃除機に吸い込まれてしまった。

 掃除機を撃破する方法はたったひとつ、階段へ誘導し、転落させて壊すことのみだ。姉は妹を喪った怒りを胸に掃除機の攻撃を回避しつつ1階へ逃走、それを追った掃除機は哀れにも転落して壊れた。ついに撃破に成功したのだ。

 しかし、2階に戻ってみると、戦いに巻き込まれた卵はすべて割れて駄目になっていた。詰みである。失意の姉はベランダから飛び降り自殺してゲームオーバーにするのを試みようとしたが、やめた。

 部屋に戻ろうとすると、部屋の中からくるみ割り人形風の金髪の女子高生戦車隊長がこちらを見上げていた。ベランダは大工だった祖父が屋根の上に増設したものだから、床よりもずいぶん高い位置にあるのだ。

 部屋に降り立とうとしたら足が臭いと煽ってくる。怒って蹴りつけたら首が折れる予感がした。

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