2019年3月24日(昼寝)
バーチャルyoutuberのライブからの帰り、自宅の最寄り駅からほど近い畑に建つ木造の農具小屋を、アーバンライナーの車窓から見た。壁の一面に、向日葵のような溌溂とした笑顔の女の子のポスターが掲示されている。その女の子は、つい先刻まで渋谷のライブハウスでぼくが目にしていたバーチャルyoutuberだ。
はっきり確認せずにはいられない。慌てて下車して小屋へと駆け向かった(よくよく考えると自宅の最寄り駅にアーバンライナーは停車しないのだが)。駅前の小さなロータリーと呼べないようなロータリーを出て左折、5分も走れば辿り着く。途中、空飛ぶおしゃべりタンバリン(女の子のマネージャーだ)が追いついてきた。女の子も追いかけてきている。どうやら一緒にポスターを見るつもりのようだ。
小屋には確かにポスターが掲示されていた。15センチくらいの仏像のような石像も無数に飾られている。スマートフォンで撮影を試みたが、なかなか「これだ」という角度が見つからず難儀した。
すると、背後から白いシャツを着た髪の短いプロカメラマンが現れ、「迷うな、時間をかけずすかさず撮れ」と言う。ぼくはそれに従った。
東京某所のマンションで父と二人暮らししている。
ぼくの部屋は壁面が崩壊しており、屋外から様子が丸見えだ。だから木板とビニールシートを組み合わせて覆い隠すことで補修している。それでも隙間があるから虫が侵入してしまうことが難点だが、そのほかには特に問題はない。冷房をつけても冷気が逃げてしまうのではないかと危惧したこともあったが、そのようなこともほとんどなかった。
トイレは公衆便所じみた面積を誇り、小便器がいくつか立ち並ぶ向かいに洋式便所の収まる小部屋が2つあった。今日は5歳ほどの男児とその母親がいたが、気にすることはない。
それにしてももう夜だというのにずいぶんと明るい。これは異常だから、もしかすると明日の仕事は休みかもしれないなと期待した。
キッチンには三ツ口のコンロがあり、そのうちのひとつに大なべが載っている。中身は味噌汁で、昨日からずっと火にかけられていた。具にはジャガイモや豆腐のほか、玉ねぎもあったが、網で隔離されていた。
うっかり鍋をひっくり返してしまったが、運よくこぼれずに済んだ。
コンロの火は轟々と燃えている。
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