2018年11月18日(昼寝①)

 これは水と炎と復讐鬼の夢。


 その家族はマイホームで平和に暮らしていた。両親とまだ赤子の子供の3人家族だった。

 リビングの間取りはぼくの実家のそれと同じだ。玄関からまっすぐ続く廊下のどん詰まりにあり、遣戸でダイニングキッチンと接続している。ただ、家具の種類とレイアウトはまるで違った。中でもグリーンのソファが際立っている。

 そのソファの前にあるローテーブルの上には、5本のロウソクがじかに立てられている。いずれも使いかけで、長さはまちまちだった。

 そのロウソクに、夜中に侵入した何者かが火をつけた。1本、また1本。しかし、すべてに火をつけようとしてもいずれかが消えてしまう。つけて、消えてを繰り返していると、やがて家の内側が脱皮をはじめた。壁面が剥がれて、ずるずると天井に向かっていく。偽物は脱皮に巻き込まれて消えていく。残されたものだけが本物だ。

 赤子は偽物だったから、泣きながら脱皮に巻き込まれて消えた。両親は本物だったから無事だった。

 違和感に気づいた父親が飛び起きたが、そのとき既に脱皮は終わりつつあった。剥がれた内側が寝室の天井にある60センチ四方の穴に吸い込まれていく。ただそれを呆然と見つめることしかできない。

 後に彼はヒーローとなり、都市のアパートの屋上で悪人と対峙することになるが、それはまた別の話。

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