第一章 [始動]
森の中に赤ん坊の泣き声が響く。
雨によって赤ん坊の泣き声が掻き消されていく。
(このまま死んでしまうのかな?折角探せると思ったのにッ!!)
赤ん坊はこの悲痛な感情を泣き声でしか表せなかった。
哀しく声を出しているとそっと抱き抱えられる感覚があった。
『大丈夫、私が拾ってあげよう。我が子よ。』
(誰だろう、知らない人。でも心から安心できる優しい声だ。)
白髪の若き青年の風貌がある子に赤ん坊は抱えられある城の中に入っていった。
レ「ねぇ?アスバル。」
ア「どうした、坊主。」
レ「えいっ♪」
と言うと水をアスバルに掛けた。
ア「ぶぁっつつ!冷てぇじゃねぇか!!」
イ「こらこら、アスバルをあまりいじめたら可哀想ですよ?」
ア「おい!イカロス!!そいつ捕まえてくれ!!」
レ「わーい、にっげろ~♪」
アスバルに悪戯を仕掛け、逃走をして部屋から出ようとし曲がった所には白髪の青年の姿が
ワ「はい、捕まえた。」
レ「あっ、父さん。」
ア「っ!!ワズレール様」
ワ「あまりアスバルをいじめたら駄目だろ?アスバルが可哀想じゃないか。」
レ「はい。ごめんね?アスバル?」
ア「ちっ、仕方ねぇな。今回限りだぞ。」
レ「わーい!」
ワズレールとイカロスは二人の姿を見て呆れているようだ。
さて、改めて。僕は白鏡 蓮。兄を探してたらトラックに轢かれて、転生した。
転生した先では捨て子として森に棄てられていた。そこで拾ってくれたのが、
ワズレール・ヲウロ。現31代目の魔王である。
優しく接してくれたり、いろんな事を教えてくれたりした。僕の中では二人目の『父さん』である。
その父さんにこの世界での新しい名前を付けて貰った。その名前は
レンゼウル・ヲウロ。皆からはレンと呼ばれることになった。この時は7歳。
早速先程に、出てきた二人について。
アスバル・アバベルグ。魔族四天王の一角。
剛健豪傑のアスバルの名を持つ、『一応』凄い人。
イカロス・イダグテン。こちらも魔族四天王の一角。魔戦魔煌のイカロスと、アスバルは近接格闘のトップ。イカロスは魔法戦でのトップに立つ。いつもニコニコしているがその瞳の中にはどんな闇があるのか、恐怖を感じる。
魔王ワズレールは人間や生き物を愛しており、その政治への考えの評価が民から沢山来る。
降伏魔王だの腰抜けだの、先代魔王の恥晒しとも言われたりしている。
ワズレールはタイミングがとても悪いときにこの政治を始めてしまったから仕方がないのは仕方がないのかもしれない。
何故なら、人間界の王国にて勇者の召喚が行われたとの事。しかもその数4人。ワズレールは「とても良いタイミングじゃないか」と言っているが僕には未だ検討がつかない。
続々と、魔王城には情報が入ってくる。王国は勇者を使い魔物を多く討伐し始めているとか、勇者の内一人が、王に暴言、タメ口で話し侮辱罪として、国から追放されたりだとか、とにかく人間界の情報が多い。何でも人間界と魔界では時間の流れが違うらしくて、魔界の方が人間界より遅いみたい。正確に言えばあっちの一時間がこっちの2日みたいな感じである。だから沢山兵が居て、いつでも迎撃が出来るのだとか。
そんなこんな、沢山話をしていると。7歳から今は14歳になった。魔界でも学校があるらしく、14から義務教育として学校が始まる。
ワ「そう言えばもう14なのか、レンは。ならそろそろ学校に行く時期だな。」
レ「学校ですか。クラスの皆とかと巧く接していけるかな?」
ア「なに、心配は要らんさ!寧ろ寄ってくるんじゃ無いか?」
イ「魔王の子だからと言え、人ですからね、難しいとは思います。」
ワ「何かあったら、手を回すさ。フッフッフッ。」
レ「...変なことはしないでね?」
ワ「もしもの時さ。そのもしもが無いように仲良く出来たら良いさ。レンならその考えは出来るはずだよ。」
レ「・・・、分かった。頑張ってみる。」
ア「よし!その意気だ坊主!!今から一緒に体力を付けにッ」
イ「用意してからにしましょうか。ね?アスバル?」
ア「あ、はい。」
と、いつもの茶番を済まして。魔族の学校へと行くことになりました。因みに登校じゃなくて、寮で寝泊まりすることになりました。
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