異界にて ~重なる世界。繋がる思い~

白鏡 輪

序章 [兄のもとへ]

僕の名前は「白鏡 蓮」。3人兄弟の末っ子。

輪兄さんに、流亜姉さん。僕の素敵な兄さんと姉さんだった、【ある時】までは。


兄さんは高校二年生でいつも通り早くに幼馴染みのお姉さん達と登校していた。

でも夕方になっても、一ヶ月経っても兄さん達は戻って来なかった。行方不明届けを出しても、警察は取り扱ってくれない。事故に遭った訳でもない。誘拐でも無い。幼馴染みの内の一人は何でも親衛隊が居るらしく、その幼馴染みと登校しているから可能性は低いとの事。親衛隊に話を聞こうとしても捜索で手が回せないらしいので、結局情報は掴めなかった。


とあるチャットアプリでこの事の相談に乗ってもらった。

蓮「と言う感じ何だけどどうなんだろうか。」

悪「うーん。何だろうなぁ。」

エ「よくある【異世界召喚】とか?」

蓮「いやいや、無い無いww」

悪「そうだよww異世界召喚とかあったら行ってみたいよ。」

等とやり取りをしながら学校に向かっていた。

エ「んじゃ何だろうなぁ。」

蓮「皆に聞けば何か良いのがきk」

人は何かに集中して打っていると周りが見えないものだ。それはクラクションが鳴らされてる事に気づかない様に。画面から顔を上げて周りを見ると目の前には大型トラックが。自分の身を守ろうと反射的に目を瞑る。



(痛くない?何だろう。)

そう思い目を開けると、目の前には白い空間。畳にちゃぶ台、タンスや達磨と、和風の生活空間があった。ちゃぶ台の向こう側にはダ●ブル●ア先生の様な髭を生やした、お爺さんがお茶をすすっていた。


?「ん?なんじゃ?不思議そうな物を見た顔をして。遠慮は要らん。そこに座れ。」

と自分の目の前にある座布団に指を指され言われるがまま座った。

蓮「あの~、これは何でしょうか?」

?「これとは?状況かね?」

蓮「はい。」

?「まぁ、まず自己紹介でもしようかのぅ。儂は皆が崇めとったりしとる言うなれば【神】じゃ。」

蓮「は、はぁ。神ですか。」

神「流石に驚かんか。最近の者は神と名乗ってもリアクションが薄いんじゃよなぁ。」

蓮「す、すいません。所で自分は確かトラックに轢かれたはずなんですけれど。」

神「そうじゃの。確かに君は轢かれた。けど君には今から二つの選択肢が選べれる事になった。」

蓮「選択肢、ですか?」

神「そうじゃ。このまま現実に戻って新しく生まれ変わるか、君の知っとる人に会えるかもしれないサバイバルの世界に転生と言う形で行くか。」

蓮「知ってる人とは?兄さんですか!?」

神「そいつに口止めされてるから名前は言えんがな、可能性はあるぞ。」

(このまま死んでも兄さんの事は忘れてしまう。でもサバイバルの世界に行けば会えるかもしれない。)

蓮「なら、サバイバルの世界に行きます。」

蓮「転生じゃな?ならまずあっちで生きるために...」



神「さて、これで良いかの?少しあげすぎた気もするが、良いか。さぁ、転生させるぞ。準備は良いな?」

蓮「はい!もう出来てます。」

神「あっちで、良い選択をすることを期待しとるぞ。」

と言い、蓮に転生への扉を開けた。

蓮「行ってきます。」

神「行ってらっしゃい。」

蓮の目の前が徐々に真っ白になっていき、やがて何も見えなくなった。


神「これで良いかの?【輪】よ。」

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