第6話 女の子

女の子は普通は、ひとりでは行動しない。

必ず、誰かと行動を共にする。


そうすることにより安心感を得るのだが・・・


加奈ちゃんと香子ちゃんは、いつも一緒にいる。

仲良くやっていてくれるので、従兄としては、嬉しいのだが・・・


保護者として、俺も付き添わされる事がたびたびある。


「ねえ、お兄ちゃんは、好きな食べ物は何ですか?」

「揚げ物かな」

「好きな動物は?」

「イルカ」

「好きな花は?」

「コスモス」

香子ちゃんは、興味深深で訊いてくる。


香子ちゃんには、兄も従兄もいないようなので、珍しいのだろう。


加奈ちゃんは微笑ましく見ている。

少しはやきもちをやいてほしいが、それは贅沢か・・・


日曜日、ふたりのボディーガードとして、動物園に行く事なる。

「お兄ちゃん、エスコートよろしくね」

加奈ちゃんに言われ、頷くしかなかった。


まあ、長年会ってなかったとはいえ、加奈ちゃんの事はわかる。

香子ちゃんも、同じ類の人間だ、


その点は心配しないでいいだろう。


で、動物園に着いた。

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