第4話 それぞれの日常

朝、玄関のベルがなる。

いつもの子だな。


「やあ、香子ちゃん。お早う」

「お早うございます。お兄ちゃん。加奈ちゃん起きてます?」

「うん、起きてるよ。今呼んでくるね。」

しばらくして、加奈を連れてきた。


「じゃあ、お兄ちゃん。行ってくるね」

「ああ。香子ちゃん、今日も加奈をよろしくね」

「はい」

ありがちに、同じ学校に通い、ありがちに、同じクラスになった。


加奈ちゃんが来てから、2か月が経ち、すっかり馴染んでしまった。

適応能力がすぐれているのか、何も考えていないのか・・・

とにかく、不安だけは消しとんだ。


「さてと、俺も行くかな」

仕事へと向かった。


俺の仕事は、さほど給料は高くない。

もし、加奈ちゃんのご両親からの振り込みがなければ、

加奈ちゃんを養えるほどの給料はない。


でも、とてもアットホームで気に入っている。

仕事中はけじめをつけているが、普段はまさしく家族のようなものだ。

堅苦しい言葉づかいはない。


ただ、結婚は先になりそうだ。


俺がそんな事を考えている時、加奈ちゃんと香子ちゃんは、楽しく過ごしていた。


「ねえ、加奈ちゃん」

「何?香子ちゃん」

「お兄ちゃんは、いとこなんだよね?」

「そうだよ。」

「どんな人なの?優しそうだけど」

「すごく優しいよ。会ったの久しぶりだけど、昔から優しかった」

「いいな。私には、お兄ちゃんいないから・・・」

「いつでも、会いにきていいよ。お兄ちゃんも喜ぶし」

「ほんと!ありがとう」



俺の話題意外にも、いろいろ話してはいるが、俺の事でふたりが仲良くしてくれるのなら、

それで構わない。


例えどんな意図でも・・・


ちなみに、加奈ちゃんも香子ちゃんも、1月生まれの早生まれなので、まだ15歳。

法律上は、結婚できない。

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