第2話 共同生活開始

俺が住んでいるアパートは、カモメ荘。

2階建てで、築20年ほどだが、新しく見える。

部屋には、キッチンもお風呂もトイレもある。


でも、オートロックではないのが、やや不便だ。


ちなみに俺の部屋は、203号室だ。


「ところで、加奈ちゃん」

「何、お兄ちゃん」

「君と共同生活をするにあたって」

いいろいろと決めておくのは当然だろう。


「大丈夫だよ。私の生活費の分は、お兄ちゃんの口座に振り込まれるから」

「そうじゃなくて」

「机とタンスと布団だけは、送られてくるよ」

「そうじゃなくて」

「大丈夫、私ももう高校生だよ。近所迷惑はしないよ」

加奈ちゃんは、肝心なことをそらしているようだ。


「だから、加奈ちゃん」

「何?お兄ちゃん」

「俺も社会人だ。君も高校生。互いに忙しい」

「うん」

「そこでだ。家事は当番制にしようと思う」

「そんなこと?もちろんいいよ。」

「いいのか?」

「うん、お兄ちゃんに迷惑かけたくないもの」

あっさりと決まった。


そして話し合いをし、当番制が決まった。

加奈ちゃんは。嬉しそうだ。


「とりあえず、アパートの人に挨拶しておくか」

「うん」

そして、アパートの住民さんや、大家さんにご挨拶した。

第一印象は、肝心だが、心配はなかったようだ。


ただ、102号室は空き家だった。

「ああ、そこは今日から、新しい人が入るよ」

大家さんに、そう言われた。


まあ、加奈ちゃんと同級生の女の子が来て、

友達になるという、漫画みたいなことは、ないだろうが・・・

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る