第7話#戦争の幕開け
玉座に君臨する王は長い髪を一つにまとめている、顔は日光でよくは見えないがそれなりに容姿端麗であることが伺える、そして私は一つの質問を王に投げかけられた。
「単刀直入に問う....そなたは我が国の為に命を捧げる覚悟はあるか?」
その言葉に、私は答えられない。何を言っているのか、何故そんな質問を自分に問うのかが分からない。
「し、質問の意味が私にはわかりません」
ありのままの答えを出す。下手に隠す必要などない、私がこの国に命を捧げる?そんな話は聞いていないしする意味もない。
「そなたのありのままの答えを知りたい....、もう一度問う、我が国の戦争のために命を捧げ、戦う覚悟はあるか?」
「戦争....とは、何故そのようなことがおありですか」
私は問う。
何故この軍事力がある国が戦争など起こすのか。
その答えは、どこにでもあるようなものだった。
「我が国は300年もの間戦争など起きなかった、それこそ小さな国から仕掛けてくることも謀反などもない不敗を誇る国だった、だが3年程前に一つの国家が戦争をしかけた....、我らは最大戦力を駆使し敵を向かい打つ事に成功、だが負傷したものや死人も数え切れぬ程出た。相手は魔王軍....二度は勝てぬ」
「それで、何故私までもが戦争に加わらねばならぬのでしょうか」
最大の疑問をぶつける。
王にとってはこの話を聞いて同情してくれても....なんて思うのだけれど、私はわからない。だから、問う。
「そなたは闇属性だと聞いた....ならば、魔王軍相手の戦争には打って付けだ、何より相性が良い....闇に光などという時代はもう消えた、同じ属性同士の戦いになる。そしてそなたの持つ幸運スキル....それは、あらゆるものの数を格段に上げる。そなた、魔物と戦い宝石を手に入れたであろう、その数が異常であったとこちらに報告が来ている....故に、そなたを戦争に加えたい....命を捧げ、我が国のために果ててくれぬか....」
王は懇願するように、地べたに頭をつけた。
人一人にこんなことをしているようじゃ、王の面目は立たないだろう。
私はたつように促す。
「立ってください、この国の状況は分かりました。あんなに賑わう街は初めて見ました。貴方のこの国に対する愛は誰にも負けません、ですが、私なんかに頭を下げないで下さい」
「では....我が国のために....戦争に加わってくれるのか?」
「正直....死ぬ前提で加わる気はありません、生きてあなたの街を国を守ります、こんな私でよければこの国に力をお貸ししましょう」
ありがとう....ありがとう....と、王は私に感謝していた。
死ぬ前提で戦争などに加わる気は無いので、必ず生きる事を目標にして戦争に行こうと思う。
「そなた、改めて名を申してくれぬか」
王に名を名乗るとはなかなか勇気がいる。
「私は言ノ葉 刻....魔法使いです」
「そうか、トキよ....これから我が国のためによろしく頼む」
「えぇ、私で良ければ....」
これから私は、この国のために命を捧げ、戦争に加わることになる、だが、死ぬ気は無い!
生きて帰る!!それが私のすべきことだから──
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