改めまして。

そこで、皆から自己紹介をしてもらった。

先程私を迎え出てくれた半獣半人の□□。

病的に肌が青白く身長が高めなのが再生者アンデッドの××。

私と同じように生まれつき毒にとても強い耐性を持つ×××。

最も特徴的な能力を持つのはこの3人。

他は小さな花を咲かせたり、水を操れたりするといったものだ。

私には名前がなかった。

だから、自己紹介を悩んでいた。

どう自分を表せばいいのか。

何といえばいいのか。

黙りこくっていた。


すると、唐突に聞かれた。

「君は、何番目の生まれなの?」

話しかけてきたのは×××だった。

「確か私は...8番目だったはず、だ。」

そう伝えた。

アイツらの事なんて思い出したくはなかった。

考えただけで吐き気がする。

あの悪夢のうろ覚えの記憶から絞り出した。

「なら、オクタヴィアとかエイチはどや?」

そう言ったのは××だ。

どちらも意味が分からなかった。

「...あーあー。オクタヴィアはラテン語っちゅーのがあって、その言語でオクタヴィアは八番目の生まれって意味なんや。

そんで、エイチは英語ってやつであいうえおかきくけこ...みたいに文字を数えていくと8番目に当たるのがエイチなんや。」

なんとなく意味は分かった。

オクタヴィアは少し長いし、直接的すぎる。

だから、エイチと言う名前を選んだ。

「...改めて、エイチ...だ。狼人間と呼ばれる部類に値するらしい。...よろしく頼む。」

すると皆は顔を見合わせて、小さくせぇの、と言うと

「「「「よろしく!」」」」

と言った。




みんなから


笑顔で


改めて


迎えられた




こんなに


愛を


笑顔を


もらったのは


どれだけ久しぶりだろうか



気付けば


エイチの頬には


一筋のなみだ

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