要望:大学古武術サークル物、主人公と美少女A(淫夢厨)


 さっきまで張り詰めていた空気が、とたんに和らいだ。

「じゃけん、美味いラーメン屋あるんですけど、夜行きません?行きましょうよ」

 彼女は俺の後輩で、この古武術研究会サークルの中では、短めの刀である、脇差しが一番上手い。脇差でも、フルサイズの刀にバンバン勝ってしまうほどだ。顔も非常に整っているのに、ちょっと表に出しすぎる淫夢厨なのが玉に瑕だが。

 さっき彼女にこてんぱんにやられた俺は、その誘いに乗ることにした。

「ああ。いいっすね。っていうか今行きませんか?」

「先輩、刀と語録の使い方下手っすよ~」、脇差の木刀の柄で俺の脇腹をこづいてきた。

「うっせ。お前が上手すぎるから悪いんだよ。どうして脇差で槍に勝てるんだよ。あと淫夢語録なんて上手くなってもなんの意味も無いからな」

 槍相手にひらりと飛び込んで勝ってしまう様は、まるで蝶のようだった。

「ま、これが才能って奴ですかね~パイセン!」

その後ラーメン屋まで行って豚骨針金おかわりダダダダー!を決めると、隣の後輩もスープを飲み干していた。

「太るぞ」

「食べても太らないんですよーだ」

「じゃあ、歩くか」

「いいですね、パイセンパイ」

「なんか悪意のある言い方やめろ」

 二人で街を歩き始めた。

「ね、センパイ。留年してくれませんか?24才、学生ですにさ」

 彼女は急に足を止めて、俺に振り返っていった。

「なんで留年しなくちゃいけないんだよ、まずいだろ」

「だって、センパイのが先に卒業するなんて、寂しいから」

 急にしおらしくなった彼女を見て、俺は足を止めた。

「別に、顔いつでも出すからさ」

「ほんとですか!?ジュッセンパイヤーみたいにどっか行ったりしませんよね?やったー!」

「そのたとえを出すなよ、もう。締まらないなぁ」

 この可愛い後輩に、いつまでも、いつまでも構ってくれてやろうと思った。





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