シンメトリーの空

みのる

補遺

用語辞典(世界観の整理にご活用ください)

 本ページには本編中に登場した各用語について、簡単ながら解説等をさせていただきます。

 用語を登場順で、話数ごとに区切って紹介いたしますので、ネタバレにならないかと思います。既出の情報に追加の情報がある場合、追記の旨を表示しています。

尚、本項目にて紹介する実在の機関、技術等に関する情報の信頼性において、細心の注意を払っていますが保証はできないものとし、あくまでフィクション上での扱いであることにご了承ください。

物語進行の都合上、本文中にて紹介している用語もありますが、そのようなものについても基本的にこちらでも紹介していきますので、世界観の整理にご活用いただければ幸いです。


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第1話

・高等専門学校(高専)

 中学卒業後より進学できる、5年制の高等教育機関。高校相当の授業と並行して各専門分野における授業を行い、短期間で専門性の高い技術者を養成するために作られた実在の学校の種別。

 その起源は高度経済成長期にあり、高卒の労働者より専門性があり大卒の労働者より即戦力となりうる技術者の育成のために設立されたと言われる。

 主に工学科か商船科が主流で、商船科は5年と六か月在学する。

 18年現在全国で50校超存在し、私立や公立校等も存在するがその大半は国立校。

 卒業時には修士号を取得でき、卒業後は就職が一般的であったが、各高専の専攻科や技術科学大学、他一般の大学に進学可能であり、進学も標準化している。


・国立畿内工業高等専門学校

 架空の国立工業高専。機械工学科、電気工学科、情報工学科、建築システム科、物質化学工学科を有する。

 高専でもいち早く現代において一般的なカリキュラムを取り入れ、学生の自主的活動が活発に行われている。


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第3話

・T-6G TEXAN(松風)

 第二次世界大戦前~戦後にかけてアメリカ陸軍、空軍他が使用した実在の練習機。

 初等練習機BC-1の派生であるAT-6シリーズの最終型であり、米国軍向け最終型であるF型の輸出向け近代化改修型。

 T-6Gを含むAT-6ファミリー全体で2万機以上生産されており、戦中から戦後にかけて世界各国で使用された。


・飛行機研究会

 通称飛行研。飛行機関係の研究を行う同好会。部室前に静態保存飛行機「T-6G TEXAN」を所有している。

 会員は1年生1人、三年生3人の計4名。

 メンバーの大半が素行に何らかの問題を抱えているため、特に3年生以上には疎ましく思われている。別名非行研。

 また、現体制となって以来毎年新入会員の応募も広報も行っていないため、2年生未満の知名度は皆無に等しい。

 新会員を迎えたことで、同好会から文化部として格上げとなる。


・レストア部

 飛行研が、文化部昇格条件である部員5名と顧問1名を迎えたため格上げとなり発足した部活。

 活動内容は「あらゆる古い機械の修復・再利用」となっているが、実際は保有しているT-6Gの再飛行を目指す部活動である。


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第8話

・学生チャレンジプロジェクト

 畿内高専が主催する、学内コンペディションの一つ。通称チャレプロ。

 学生が「挑戦したいこと」をプレゼンテーションし、採択されれば予算と施設の優先使用権が得られるコンペディション。

 一年に一回開催され、9月応募開始~11月採択~翌年8月成果発表のスケジュールで行われる。

 しかし、近年は出場チームの固定化と参加者減に見舞われており、チャレプロの存在自体を知らない学生も多い。


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第12話

・畿内高専OB会

 畿内高専卒業生のOB会。

 OB会と言えども、高専という学校の特性上、OB会員には工業系企業の役員であったり社長であったり、大学や研究所の教授が在籍するため、その影響力は大きい。


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第19話

・飛行(航空)神社

 邇芸速日命にぎはやひのみことを祀る。航空機運行の安全祈願のために創建された。航空機やその歴史に関する資料も保存しており、全国からマニアが訪れる。


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第21話

・ARASHIMA METAL(荒島金属工業)

 県下でも最大の金属加工企業。毎年畿内高専も多くの就職者を出している。

 畿内高専の所在している大和京市の大和京工業団地に最も広い工場を持っており、学科によっては工場見学でも訪問される。


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第39話

・飛行機研究会

 通称飛行研。飛行機関係の研究を行う同好会。部室前に静態保存飛行機「T-6G TEXAN」を所有している。

 会員は1年生4人、2年生~4年生26人の30名。

 模型飛行機大会への出場や、テキサンの整備、毎年学校で開催される学生チャレンジプロジェクトへの参加を目的に活動している。

 畿内高専設立当初より存在する歴史の長い同好会で、校内における知名度も高い。

 活動実績も安定的に重ねており、メンバーは各々の活動を活発に行っている。


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第48話

・保安庁保安隊

警察予備隊の後継組織、自衛隊の前身組織として設立された、実在した準軍事組織。


・松島臨時派遣隊

戦後日本の航空兵備充実のために、パイロット育成を目的として設置された教育部隊。実在した部隊。

第一期学生16名が、アメリカ極東軍により供与されたT-6練習機によって訓練を行った。


・キャンプ松島

旧日本海軍飛行場として現宮城県松島市に設置され、戦後在日米軍基地として接収された航空基地。保安隊パイロット養成のため、臨時派遣隊が派遣されている。


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第50話

・T-6G”松風” 52-0083号機

アメリカ極東軍より、保安隊に無償貸与された初等練習機。旧来のC/D型の設計を刷新し、新興空軍向けに再生産されたT-6シリーズの最終モデル。

日本貸与機は仕様がほぼ同一で互換性の高いD/F/G型が混在し、これらのミックスされた独自仕様機が多く存在する。


・航空自衛隊

保安庁保安隊の後継として、国防を主任務として発足した組織。

1954年時点で総兵力数は6,738人、保有航空機148機。


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第51話

・T-34”メンター”初等練習機

1948年に初飛行し、1953年にアメリカ空軍で採用された、アメリカ製最新練習機。

日本では富士重工がライセンス生産し、T-6の後継として1954年より配備が開始された。

着陸脚の配置や設計の新規性、全体的な性能の向上によって、T-6よりジェット機への訓練転換が容易とされる。


・機付長

航空機1機ごとに割り当てられる役職で、担当航空機の整備において責任を負う。

担当航空機の整備において、整備員の中でも知識・技能ともに優れたものが選ばれ、パイロット以上にその航空機に関してのプロフェッショナルと認められる。

機付長は担当機に自身の名前をペイントするが、これはパイロットにも認められていない。


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第52話

・ウィングマーク(航空自衛隊操縦士徽章)

パイロットとして基礎教育を修了した者に与えられる徽章。

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